日本茶の日

日本茶の日

懐中雑誌ぱなしの表紙を毎月見事に飾ってくれている日本画家、池永康晟さんの個展に行った。松屋銀座の裏手にあるギャラリーアートもりもとは、入りやすいモダンなギャラリーで、とても居心地が良い。歯車のマスター濱本さんの差し入れの和菓子と一緒に美味しい日本茶をいただく。

ちゃんとデザインされた茶杯が使われていて、丁寧に淹れられたお茶は画廊のレベルの高さを感じさせてくれた。やっぱ画廊で紙コップにペットボトル茶は違うだろうと思うのだ。せっかくの良い絵は、出来れば美味いお
茶と一緒に楽しみたいと思う。

帰りに、松屋銀座の茶の葉で新茶を飲んだ。在来種の生茶。火を入れていない茶葉は、ねっとりと濃厚で荒々しくて、一煎一煎、味わいが違う。自分で茶缶から茶葉を急須に入れる所からやらせて貰えるので、茶葉の量か
ら抽出時間まで好きにできるのが有難い。個人的には、やや茶葉多めで、しっかり淹れた時の味が好きだった。後味の甘味が愛子さんの碧螺春にも少し似ていた。

そう言えば海風號に美味い龍井が入ったらしい。飲みに行きたい。明日あたり行けそうかも。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ほてい屋「八十八夜ほうじ秘境」

Hikyohoji01
八十八夜ほうじ秘境 100g、1050円
有限会社ほてい屋
高知市堺町2番15号 TEL:088-822-5581

元々、日本茶の緑茶は好きなのだけど、何と言うかアミノ酸の旨みにこだわる最近の方向は、あんまり身体に合わなくて、どちらかというと、サッパリ目の煎茶とか、焙じ茶、番茶に走りがちな俺。もしかしたら、「美味いお茶」という方向からズレた味覚なのかもなー、とか思って、でも、自分の美味いが自分にとっては一番だしとか、当たり前のことを考えながら、毎日、何かしらの日本茶を飲む。

で、かめきちさんからお土産で頂いた、ほてい屋の「八十八夜ほうじ秘境」というお茶の封を切る。土佐の天然山茶の焙じ茶だそうで、何となくしゃおしゃんのお茶なんかを思い出しつつ、茶葉を見たら、ほんの少し焙じた感じはあるけど、ほぼ緑色。乾燥具合から焙煎の跡を感じる程度。でも、見た目がとても美味そうだった。

で、飲んだら、普通に美味いお茶だな、と思った。強いて言えば甘い香りと言えば言えるという程度の、ほんとうに微かな甘さだけど、それが実はとても豊かだということに気がついたのは、三煎目くらい。ほとんど気がつかないうちに、三煎、ゴクゴク飲み続けていた。するすると喉に入っていく。口の中が、すーっとお茶の味わいに満たされて、すーっと消えて、ほんの少しの、でもやっぱり豊かな香りだけが残る。それがまたすーっとして気持ち良い。

すげー美味い!、と感じさせるような要素は無いんだけど、すげー美味い!と感じるお茶よりも美味いかもしれないと思わせる。ひらたさん風に言えば、アイソトニック感がある、と言えるかもしれない。でも、身体に染み渡ると言うより、もっと何気なく入っていく。口の中も、何気なく美味さが通り過ぎる。

水出しにして、冷やしてゴクゴク飲むと、とても美味しいお茶を飲んだような記憶だけを残して、美味しい水を飲んだ時のような清涼感を感じる。引っ掛かりが全然ない。でも、記憶が「美味かったなあ」と言っているから、多分美味かったのだろうと思う、というような感じで美味い。

Hikyohoji02

100g、1050円で、ほんの少量でたっぷり飲めて、だから、これは普段飲みに出来る。毎日飲みたい感じと、懐かしさ、味わいのさりげなさなど、しゃおしゃんさんのお茶との共通点が多いのは、やはり山のお茶、ということなのだろうか。もしかしたら、気仙茶も、こんな風な方向に向かうのかもしれない。で、この方向のお茶が市民権というか、普通に買えるようになると嬉しいなあと思いつつ、もう、あとわずかになった「ほうじ秘境」を飲むのだった。なんか、調べたら、前は通販で買えたようなのだけど、今は通販やってるところが見つからなかった。かめきちさんにお願いするのも、変な話だし。うーん、どっかで買えないか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

焙茶工房しゃおしゃん「気仙茶(オリジナル焙煎)」

kisencha01
気仙茶(しゃおしゃんオリジナル焙煎)
焙茶工房しゃおしゃん 450円/30g

岩手県南部で作られている緑茶(日本茶)を焙茶工房しゃおしゃんで焙煎をかけて新しいお茶に仕上げたもの。日本茶に焙煎といっても、焙じ茶にしたわけではなく、水分を飛ばして青臭さを取る程度の軽い火入れを行ったものだそうだ。

熱湯で淹れた一煎目は、香りも味も、しゃおしゃんの青プーアルと日本茶(煎茶)の間のような感じ。ふわりと立ち上がる香りは、しゃおしゃんのお茶特有の爽やかなのにコクがあって、口の中がお茶用になる(これはしゃおしゃんのお茶全てに共通する感じではある)。ほんの少しの酸味と焙煎の甘味に、スッキリした緑茶の美味しさが加わって美味しい一口目。二口目からは優しい丸い感じのお茶の味。

kisencha02

少し冷めた、70度くらいのお湯で淹れた二煎目は焙煎の甘味より、緑茶の甘味の方が前に出て、日本茶の美味しさから、丁寧に角を取り除いたような味わい。後は、数煎、それが続いて、6煎目くらいで終了。シャープな美味しさではなく、とにかく尖ったところがない美味しさ。で、刺激も少なくて飲みやすい。その分、シッカリと緑茶を飲みたい場合は物足りないかも知れない。

多分、元の緑茶自体は、それほど凄いお茶ではないのだと思う。ややクセの強い青っぽさが中国茶っぽいと言えば言えるという感じのお茶なのではないだろうか。それを、焙煎の技術と加減で美味しくしたものではないだろうか。それだけに、アミノ酸系の甘味や旨みではなく、もっと素朴でサッパリとした甘味が美味しさの秘密になっているように思う。

基本的には、普段飲みの日本茶。普通に日本茶の急須で適当に淹れて、ゴクゴク飲みたい。しゃおしゃんの前田さんによると、これは最初の一歩で、今後、様々な状態の気仙茶を、様々に焙煎していく予定だそうだ。しゃおしゃん製焙じ茶とか出たらいいなあ。楽しみである。あ、冷やしたら、やたらフルーティーだった。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

焙じ茶の淹れ方について気がついたこと

この正月は、何故か麦茶と焙じ茶にハマっている。麦茶は実家にあったのが美味かったせいだが、焙じ茶は何故ハマったのか分からない。ただ、あの味を常に味わっていたくて、家にある何種類かの焙じ茶を取っ換え引っ換え色んな淹れ方をして飲んだ。その中で、いくつか焙じ茶の淹れ方について気がついたことがあった。

まず、焙じ茶を急須で淹れる場合だけど、ホント焙じ茶って煎が効かない。というか、もう三煎目くらいで、もはや不味い。出涸らし烏龍茶好きの俺だけど、焙じ茶の出涸らしは不味いだけだということに、今さらながら気がついた。考えてみれば、「焙じ」茶なので、焙煎風味が取れれば、それはもう「焙じ」茶ではなく、「焙じ」てあって初めてお茶として成立していたのだなということが良く分かった。

あと、アイス焙じ茶を作る場合は、水出しよりも、薬罐いっぱいに沸かしたお湯の中に茶葉をぶち込んで、そのまま数時間おいて冷蔵庫へ、という淹れ方の方が香ばしさも甘味も出る。熱い状態で飲むのも、急須より大きめの茶壺や土瓶で淹れた方が美味い。海風號のオリジナル丸い茶壺を設楽さんが「焙じ茶用茶壺」と呼んでいるのは、そういうことだったんだなと、これまた今さらながら気がついた。

丸八製茶場の加賀棒茶も美味いけど、いわゆる棒茶(茎茶の焙じ茶)は、渋味が出にくいので、適当に大量生産して飲むのに向いている。そんな時は、丸八製茶場でなくても、もう少ししっかり焙煎された他所の加賀棒茶とか、静岡の雁金焙じ茶とか、京都の番茶系のお茶とか、そういうのでも、十分美味しく頂ける。大事なのは、ガーッと大量に淹れることではないかと、今回、色々やってみて思ったのだった。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

ほうじ茶の水出し〜加賀棒茶を冷やす〜

 元々、ほうじ茶は好きなのである。サントリーの「京番茶」が出た時は、「これはペットボトル茶のナンバーワンだっ!」と本気で思ったのだったが(あれ、「京番茶」は、もしかしたら缶のみだったかも知れない)、いつの間にか消えてしまって悲しい。

 で、最近はカフェとかにも、ほうじ茶がメニューにあることが多くなったし、アイスでもホットでも飲めたりして中々嬉しいなあ、とか思いつつ、しかしあんまりカフェでほうじ茶飲むことは無かったのだから、人の心はよく分からないのだった。

 ほうじ茶といえば、加賀棒茶である(そういえば、サントリーの「京番茶」も雁が音ほうじ茶とか言ってたから、加賀棒茶と同じ茎茶のほうじ茶だ)。ひらたさんも書いていたが、この棒茶の水出しが、かなり美味いのだ。個人的には熱湯で淹れるより水出しの方が好きなくらいだ。で、暑くなったんで、水出しを作っていて気がついたことがある。

 丸八製茶場の加賀棒茶を通販で購入して以来、丸八製茶が東京のデパートなどの物産市に出店する時は、必ず案内の葉書を送ってくれるようになっていた。で、その葉書を会場に持っていくと、加賀棒茶のテトラパック6個入りを頂けるのだ。で、水1.5リットルあたり、そのテトラパックを3つ入れて一晩置くと、美味い水出しほうじ茶の出来上がり。

 で、あちこちの物産展に足を運んではため込んでいたテトラパックだが、ガンガン使うので、すぐに無くなってしまい、手元には、加賀棒茶の最高級品と言われる「加賀棒茶(紺)」が残るのみ。しかし、アイス加賀棒茶にハマっている状態で、明日のアイス加賀棒茶が無い状態には耐えられない。もう少しテトラパック貰ってれば良かった(買えよとは思う)。

 勿体ないとは思ったのだけど、加賀棒茶(紺)で水出し茶を作った。あ、そう言えば加賀棒茶の水出しを作る時のポイントが一つ。先に水入れて、そこにお茶パックに入れた茶葉を投げ込むこと。あと、茶葉はケチらず、がーっと入れよう。

 で、美味いお茶が出来た。本当に美味かった。舌先に乗った瞬間から甘味が口の中に走って、本当にトロリと甘い。イヤな感じがどこにも無く、すーっと喉の奥に流れていって、喉でも、その柔らかい甘味を十分感じることが出来る。ああ贅沢な味わい。

 が、これは違うのだ。いや、美味いんだけど、「冷たいほうじ茶」というカテゴリーで考えると、あまりに柔らか過ぎて、美味しさが天鵞絨に包まれて喉に流れていくような加賀棒茶(紺)では、冷たさが全然実感できないのだ。それに、ちょっと甘すぎる。

 そのへんのバランスが、安い加賀棒茶の方が美味いのだ。安い加賀棒茶は鉛筆の削りカスの味がすると言う人もいるけど(それも分かるけど)、水出しにすると、そういう味が出にくいし、甘味もアイスで飲むのに適した感じだし、何より清涼感が強い。味だけ言えば、文句無く紺の方が美味いのだけど、でもアイスでゴクゴクと飲みたいのは、安い方なのだ。

 最近、下北沢のそれなりに名の通った、しかも感じも良いカフェで、アイスほうじ茶を飲んだ。それはそれなりに美味かった。しかし、加賀棒茶の安い方の水出しと比べると、その足下にも及ばないというか、鉛筆味が濃いのよ。伊藤園の会席京ほうじ茶にも及ばない。ちゃんと淹れて、ちゃんと冷やしてあるのは、よく分かるのだけど、それでも違いがハッキリしてしまうほど加賀棒茶は際立っているのだなと思った。分かってはいたけど、その違いには、不意打ちみたいに驚いた。アイスほうじ茶を舐めてはいけない。

| | コメント (8) | トラックバック (3)

グラスで飲む深蒸し摩利支

 広尾の蒼庵が新宿高島屋の地下に出店中ということで、せっかくだから行ってみる。俺的にイチ押しのデザート「どらいもん」は置いてなかったけど、摩利支を色んなタイプで飲めるようになっていたので、俺はグラスで飲むパターンを、一緒に行った茶梨さんは摩利支の姿茶を注文。

marishi01.jpg

 これが、グラスで飲む摩利支。グラスに茶葉を2g程度入れて、熱湯を少し注ぐ。そこで香りを楽しんで、少し冷ましたお湯をさらに注ぐ。茶葉が落ち着いたら飲む。龍井をグラスで飲むのと全く同じ要領だ。

 摩利支は、通常のお茶に比べカフェインが三分の一以下で、うま味成分が豊富な上、煎が効く品種だそうだ。なので、お湯に浸しっぱなしでも渋味とか苦味が出ない。ひらたさんのblogには、この摩利支を作っている茶園の話があったが、本当にまだ生産量が少ない希少茶なのだそうだ。

 飲むと、これが美味い。うま味成分が豊富とはいえ、アミノ酸の感じは薄く、もっと淡い味わい。でも爽やかさと日本の緑茶らしい繊細な甘味があって、美味い日本茶を飲んでるなあという実感が沸き上がる。これが、子供の頃から好きで飲んでた日本茶の美味しさだなあとか。

 お湯をつぎ足して貰いながら、和菓子と一緒にお茶を飲む。羊羹、最中、大福。こういう、餡こモノと美味い日本茶というのは、ちょっと他に類を見ないマッチングの良さ。そもそも、甘いお菓子が大して好きではなかった俺が、今や甘味王なのは、日本茶を美味しく飲む手段として食い始めたのがクセになってのこと。
 中国茶で言えば碧螺春くらい繊細なお茶なのだけど、そこは日本茶。餡ことのマッチングの良さは半端でない。美味いよー(泣)。

 で、茶葉も淡い味わいで美味しくて、後半は茶葉を攪拌して茶葉ごと飲む。これがまた美味い。何だかんだで茶葉がなくなるまで飲む。

 摩利支の姿茶も、面白い。茶葉が茶葉の形でお茶になってる。禅茶みたいな感じ。で、こちらは香りが濃厚。蜜のような香りの日本茶というのは初めて。で、するすると喉を通り抜ける飲みやすさが凄かった。が、何か言うほど量飲んでないので、また近いうちに飲みに行こう。

これが、姿茶の茶葉
marishi02.jpg

 高島屋店舗はもう終わるので、今度は広尾店にも久しぶりに行ってみようかと思う。ご一緒してくれる人、募集です。

| | コメント (1) | トラックバック (1)