水色の違いとか

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海風號「東方美人」(左)、「金奨鉄観音」(右)

嬉しがって、R8で色々撮影している。例えば、上の写真は、海風號で撮った東方美人と金奨鉄観音だけど、適当に撮っても、水色がちゃんと違って撮れるので愉しい。水色がある程度再現されると、写真見ただけで、味とか香りとかが思い出されて、飲みたくなる。

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こんな風にも撮れる。金奨鉄観音、飲みかけ。見てると喉が渇く。いつもの目線の角度だから。

どっちも、海風號の青茶セットに入ってる。でも、俺は金奨鉄観音の方が随分と好きだ。東方美人は出涸らしでじっくり作ったアイスティーが好き。

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海風號の白芽奇蘭で一休み

Sany1870
海風號「白芽奇蘭」

やたら忙しいからこそ、無理してでも海風號に行く。打ち合せを海風號にしてでも行く。で、お茶を淹れてもらって飲む。短い時間でも、だらだらと飲む。設楽さんと喋る。ぼんやりする。お茶を飲む。それが出来ていれば、どれだけ忙しくても、文章が粗くなったりしない。ちゃんと仕事が出来る。

新しく入荷予定の白芽奇蘭のサンプルを飲ませてもらった。いつもの白芽奇蘭と全然違う味だった。焙煎がキツイのか、ちょっと焙じ茶風。4煎目くらいで焙煎香が落ち着いて、奥の方にいつもの白芽奇蘭のニッキのような味わいが出てくる。ちょっと苦味が勝った味だけど、俺は好きだ。いつものスペシャル感はないけど、もう少し気軽な感じで大量に飲める感じ。それこそ、忙しい中での一服に似合う。

「春のお昼の中国茶話会(茶杯とお菓子付き)」で、海風號のお茶を飲んでもらいたいと思ったのだけど、どれを飲んでもらうのが良いのか考えたら、とても悩んでしまった。いくつか候補はあるんだけど、一つに絞るのは難しい。

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大紅袍と魍魎の匣

Sany1831
大紅袍の陳年だというお茶。茶托がキレイ

都内某所に、「春のお昼の中国茶話会(茶杯とお菓子付き)」で使うネタを見せてもらいに行った。一点モノの馬鹿馬鹿しいけど可愛い茶器というか何と言うかを色々見てきた。面白いのを集めたので、欲しい方は是非、前売りかってね、当日安く放出します。

そこで出してもらったのが、写真のお茶。大紅袍の陳年茶だそうで、最初の内は焙煎味と、保存に使ったのか蜜の味がして、不思議な甘さのお茶が、だんだん、大紅袍っぽいというか岩茶の味が出てきて飲みやすくなるという感じのお茶。陳年茶とはいえ、焦げ味がしなかったので、それなりに高品質のものなのではないかと思う。まあ、陳年ではない大紅袍の方が好きだとは思うけど、冬に焙煎の香りは心地良いと思う。おもてなしのお茶として、とても嬉しく、美味しく飲んだ。

夜は、映画「魍魎の匣」が明日で終わる事に気がついて、慌てて池袋のシネマロサに行ったら、入場時にチョコをくれた。キスチョコのホワイト&チョコクッキー味。映画は、やけにお茶を飲むシーンが多く、それに合わせて、持って行った水筒のお茶を飲む俺。しかし、この映画、おじさんが顔付き合わせてお茶飲んでるという、暑苦しい画面で、それは中々面白く、原作を気にしなければ、好きな映画というか、可愛い映画というか、ちゃんとしたホラー映画になってた。

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単ソウ再考

Sany1758
広州門屋の「鳳凰単ソウ宋種」

青柳さんからお土産にいただいた、広州のお茶屋さんの単ソウ三種。そのうち「宋種」を持って、バー歯車に行った。カルヴァドスのカクテルとか飲みつつ、チェイサー代わりに「宋種」を淹れてもらう。美味い。驚くほどとか、感動的とかではなく、ああ美味しい単ソウの味がするなあという感じで、ずーっと飲み続けられる感じ。

きちんと甘味があって、単ソウらしい苦味があって、連れの中国茶はあまり飲んだ事がない女の子が「ブドウの味がする」と喜んでくれるくらい、果実味もあって、良い感じで飲める。単ソウの味の標準みたいな感じで、歯車の濱本君に「これでカクテル考えてください」と、3月のトークショーのネタ作りも兼ねたお願いもする。

飲みながら思うのは、単ソウは凄いお茶じゃなくても良いのかもということ。結構、俺は、蘭亭の安い単ソウとか、遊茶の嶺頭単ソウの安い方が好きだったりする。バンブー茶館の単ソウから美味いと思うのを選ぶと、かなり安い方だったりする。安い単ソウって水出しすると美味いしなあ。良い単ソウって言われてる奴は、かなり青いものが多いし。それはそれで美味いけど、普段飲みたいのは安い奴(といっても単ソウだから安くは無いんだけど)。

この「宋種」は、いくらくらいなんだろう。何となく、そこそこ高く、そこそこ安いような気がする。とても好きな味だった。それで十分だ。

追記
某方からのご指摘で、宋神を宋種に修正しました。寝ぼけて書いてると、こんなミスもやります。いやあ、ありがとうございました。写真見直したら、全然「神」じゃないし。実際、何故「宋種」じゃないのかなあとか思ってはいたんですけど、気にせず、アップしてました。中国に興味が無い中国茶好きなので、こういう部分がダメダメですね。ほんと、ご指摘、ありがとうございました。

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美味しいとか美味しくないとか以前にある何か

Sany1251
海風號「特等安渓鉄観音」今シーズンの美味いよ

青いとか、醗酵が足りないとか、焙煎がきついとか、焙煎が浅いとか、まあ、飲む方は何となくそういう事を言ってしまうことがある。俺も、言ってしまったりもした。でも、何か、そういう言い方は通じるようで通じないというか、自分で醗酵させたわけでも焙煎したわけでもなく、まあ焙煎がキツイくらいは分かるけど、それ以外のケースで、自分が感じている「何か」を、醗酵とか焙煎といった、製茶の一工程のせいにして語ってしまって良いのかどうか。焙煎がキツイのも、単に火が落ち着く前に飲んでいるせいかもしれないし。

だから、もっと焙煎してある方が好き、とか、紅茶と緑茶と比べて、「今日は、醗酵したお茶が飲みたかったから紅茶」とか、そういう感じでしか、そういう表現はしづらいなあ、と最近は感じている。要するに、その手の表現がとてもピンと来なくなってしまったということで。身に染みない表現は、なるべく止めとこうみたいな感じで。

その上で、海風號の特等安渓鉄観音の話をしてみる。実は、俺、海風號の特等安渓鉄観音(通称、特安だけど漢字で書くと安いなあ。カタカナでトクアンにしよう)が美味しいことは知ってるし、飲むと、いつも、ああ美味いと思うのだけど、でも、金奨鉄観音の方が好きで、「貧乏舌だなあ」と思っていたのだった。で、その原因だけど、これがロットによって違うからややこしい。

原因、その一
美味しいのは分かるけど、微妙にキュウリっぽい風味がある場合。これは、もう俺の個人的な問題で、キュウリ風味は全部ダメなのだ。何故、キュウリ風味が発するかは、今、色々仮説を立ててはいるけど、ともかく、お茶のせいじゃなく、俺のせいでダメなのだ。

原因、その二
これも味には問題ないというか、むしろ好きな味だけど、何か鼻の奥がキューンとなることがある。何故かは解らないけど、鼻の奥というか目の奥というか、そのあたりに変な刺激があって量が飲めない。ただ、この場合、味自体は好きなので、お店で出してもらえたら喜んで飲むのだけれど、自分で淹れて飲むのはツライので買わないのだ。

で、これらの原因を、俺は焙煎が浅いからとか短絡的に思っていたけれど、毎年、トクアンを飲んでると、そんな単純な事ではなさそうな気がしてきている。その一とその二が合わさって来ることもあるし、一煎目はキュウリだけど二煎目からは大好きとか、出涸らしはたまんなく美味しいとか、そのへんも色々だから。

だから、多分、お茶が美味しいとか美味しくないとか、そういう判断のレベルでは分からないというか、それ以前の問題というか、好みというか、そういうのもあるんだなあと。

何故、そんなことを考えるかというと、今シーズンに海風號に入荷した特等安渓鉄観音は、キュウリ味もしないし、鼻の奥にも来ないで、すーっと気持ち良く飲んで美味しかったから。で、味わいそのものは、鼻の奥にキューンと来てたものと、それほど変わらないというか、もちろん、キューンと来ない分、それより美味しく感じるわけで、味って難しいなあと思うのだった。しかも、今回のトクアン、内質というのか、何と言うのか知らないけど、お茶の成分が濃い感じで、栄養がありそうな飲み心地(気のせいかもしれないけど)。

こういうのがあるから、青いのは苦手とか、焙煎浅いとちょっととか、そういうことは益々言えなくなるのだった。しかし、ほんと、似たような味わいで、でも身体に入る、その入り方が違うものがあるというのは、何とも面倒くさくも面白いなあと思うのだ。

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海風號「金奨鉄観音」は普通に嬉しい

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写真は特ミン(50g、3000円)

ようやく、海風號に金奨鉄観音が入荷(50g、2000円)。今回のは、少し焙煎も発酵もしっかり目のようで、それもまた嬉しい。早速買ってきて、やかんで淹れてゴクゴク飲む。これが、俺の好きなお茶の基準の一つだと思う。いつでも飲める、いつ飲んでも美味しいと思う、ずっと好きでいられる、そのベースライン。

少量入荷の特等ミン南鳳凰も美味い。「宣伝しなくていいですよ。いつもお店に来てくれるお客さんとかが飲んでくれるだけで」と設楽さんが言う。とても海風號らしいお茶なので、俺としても買って帰るより、お店で設楽さんと一緒に飲みたい。こういうお茶って、海風號以外ではあんまり飲めないのだ。

金奨鉄観音も、とても海風號らしいお茶で、ちゃんと美味しくて、でも高級感とかはなくて、香りよりも味わいのコクで飲ませるお茶で、だからといって味が突出するわけではないから、当たり前のように普段飲みに出来る。普段飲み続けたい。だから、こっちは買って帰って飲む。こういうお茶があることが嬉しい。

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Formosa Tea Connection「凍頂山1980」

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Formosa Tea Connection 50g、3500円
(もう品切れみたい)

1980年の凍頂烏龍茶が、とても美味しかったらしい。Formosa Tea Connectionと、凍頂山の茶農で、それをリスペクトし、作風を模したのが、この「凍頂山1980」ということらしい。何と言うか、ロックファン的な発想だなあと思う。

中焙火、半熟茶で発酵度30%ということで、とても飲みやすくて、とても烏龍茶っぽい味わい。25年前というと、まだ茶芸とかも確立してなかったりして、普通にがぶがぶとお茶を楽しんでいたのではないかと思わせるような、「お茶にしようか」「おう」みたいにして飲みたい味と香り。

2003年に海風號に少量入荷した、昔の海風號の味がする金奨鉄観音(中発酵・中焙煎)とか、この「凍頂山1980」といったお茶のスワンプな感じが、とても好きだ。音楽で言うと、ザ・バンドみたいな感じ。ザッツ・半発酵茶というか、お茶の中のお茶みたいな感じがするところも、ザ・バンドに似ている。

荒井屋さんの、べらぼうに美味いすき焼きと一緒に、土瓶でドバドバと淹れた「凍頂山1980」を飲んだ。ガブガブ飲んだ。肉も美味いが、お茶がまた美味い。無理に主張することはなく、でも、美味しい食事に対して、お茶の美味しさも損なわれない。どっちも美味しい。何だか、大きめの茶杯というより茶碗で飲むのが似合うようにも思う。

家では、でかい茶壺でドカドカ淹れて、冷やしながら、熱いのも飲むといった感じで、仕事のお供になっている。だから、もうすぐなくなるのだけれど、1980年なんていう、本当に色んなことが終わったり始まったりした年をリスペクトしたお茶は、色々言わずに、ガブガブ飲みたい。

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海風號「白芽奇蘭2005」

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白芽奇蘭
海風號 30g、3000円

今年も登場、海風號の白芽奇蘭。やっぱ美味いなあ。去年と同じところのお茶なのだそうだけど、去年のとはちょっと違う。美味いのは美味いし、白芽奇蘭という茶葉としての特徴も同じだけど、1煎目のニッキの香りと味わいは、かなりアップ。ただ、甘味よりもお茶的な味わいの方が強くなってて、じんわりと美味い感じ。

去年のものが、とても分かりやすい美味しさだったのに比べ、何煎か飲み続けて、「お?」と美味しさを感じるような地味な美味しさがあると思う。喉越しに感じるコクが何とも美味いのだ。あと、去年のより煎はきかないように思った。味そのものは、俺は今年の方が好きだけど。

冷めると、やたらと甘味が出る。ということは、冷茶向きか。去年のも冷茶にすると美味かったけど、今年のも良さそう。つーか、去年の白芽奇蘭は俺の中の去年作った冷茶ベストワンだったから、今年も期待したい。まだ、茶葉買ってないから作れないけど。

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春風秋月「観音王」

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まだ発売前なんで詳しいことは書けないけど、もうすぐネットでも発売になる春風秋月「観音王」が、もう美味くて美味くて。ネットでの紹介記事も俺が書くのだけど、ここまで美味いと書くのが大変。実際のところ、どの程度美味いのか自分では分からないほど、俺の好みにピッタリと嵌まっているのだ。この美味しさに匹敵する鉄観音は、海風號の今は無き「金奨鉄観音(中発酵・中焙煎)バージョン」くらいか。

Andyさんは「日本一美味い鉄観音だ」と自信満々なのだけど、その自信も無理はないと思う。もう、俺なんて汗だくだし(謎)。正直なところ、Andyさんと俺の好みに合い過ぎてるというだけかもしれないのだけど、ウチのかみさんも息子も美味い美味いと言ってたし、勝又さんも美味いと言ってたし、案外、沢山の人の好みに合う味なのではないかとか思うのだ。

淹れた後の茶葉がぷっくりして元気が良い。その力強い茶葉から出てくる味は、ひたすら柔らかい。刺激は凄く少ない。ふわっと甘く香り、ふわっと舌を転がって、お茶のお茶らしい味わいが柔らかーく染み出して、喉の渇きをしっかりと癒しながら身体に入っていく。美味しい。すぐお代わりしたくて、すぐ飲む。また飲む。こういうお茶を飲むと、大振りの茶壺を持っていることがラッキーと思える。待ってられない。ゴクゴク飲みたい。

ということで、ネット用の原稿もなるべく急いで書くので待ってて欲しい。その前でも、店に行けば買えるかも知れない。うめえ。

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風邪とガブ飲み黄金桂

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海風號の「黄金桂B」(非売品、参考価格50g、1000円)

風邪をひいて、でも締切りはいっぱいあって寝てるわけにも行かず、取材とか行って、また風邪こじらして、一部には迷惑かけつつ、それでも限界まで原稿は書いて、気が遠くなったら寝て。おかげで氣志團の東京ドームライブ行けず(ランマは大丈夫か)。

そんな中、飲んでいたのが、海風號の正式には売り物でない「黄金桂」。これ、昔、海風號が別の店に卸すために仕入れていたお茶で、設楽さんによると「これがウチのレベルとは思われたくないから、ウチでは売らない」というお茶。とは言っても、「そのへんの中国茶より全然美味しいけど」というお茶でもある。

で、前に、お茶のレベルの違いについて設楽さんと話している時に、この安い黄金桂(50g、1000円)と、海風號の正規の黄金桂(50g、2000円)の飲み比べをさせてもらって、「これ(安い方)はこれで、十分美味しいじゃないですか」と俺は気に入ってしまってたりしたのだった。それを覚えていてくれていた設楽さんが、「この誰も喜ばない黄金桂(笑)、ちょっとだけあるから」といって分けてくださったのだった。

これを適当な量お茶パックに入れて、沸かしたヤカンの中に放り込んで、しばらくしたら飲む。粗熱が取れたら、サーバーに移して冷蔵庫に入れる。ヤカンではまたお湯を沸かして、そこに茶葉を放り込む。熱いの飲みたければヤカン、冷たいのは冷蔵庫。これで、喉はヒリヒリ、鼻水ダラダラの状態の水分補給であり、仕事の気付け薬(冷たい方)であり、ほっと一息(熱い方)のお茶が出来上がりつつ、端から飲んではまた作る。

だから、本当にガブガブ飲む。平気で1日に4リットルくらい飲む。際立つ味が無く、際立つ香りもなく、焙煎が柔らかく茶葉を包みこんだおっさん臭い黄金桂。その刺激のない柔らかさの奥に、時々ふわっと、優しい味が戻ってくる、その味が、「海風號の空気」なのだ。ああ、海風號だなと思って、行きたいなと思って、行くどころか、机から冷蔵庫の前まで歩くのにヘロヘロしてる。でも、「この味だな」というのは、こんな状態でも楽しめて、それでどうにか、また原稿を書く。

今回の風邪、本当にキツかった(チーズ茶会も行けねえし、ぐしっ)。

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鉄観音、お気に入りの二種

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 海風號金奨鉄観音(50g、2000円)、春風秋月古方焙煎安渓鉄観音(38g、2500円)、この二つの鉄観音が、それなりに在庫豊富でいつでも買えるという状況で、この秋から冬を迎えられるのは、かなり幸せだと思う。どっちも通販で買えるから、日本全国で飲めるし。

 どちらも、普通に美味しい、普通の鉄観音。味の傾向も似てる。生臭さがなくて、どう淹れても美味しくて、飽きずにいつまでも飲んでられて、毎日飲んでも美味しい。熱くても冷やしても良し。5〜6g程度の茶葉で2Lは楽に出るのも有り難い。

 金奨鉄観音の方が、価格も安いし、味わいもカジュアル。大きめの茶壺でガバッと淹れてゴクゴク飲みたいお茶だ。それを少し高級な感じにして、焙煎・発酵ともややしっかりめにしたのが古方焙煎安渓鉄観音。160mlくらいの茶壺で、お湯飲みに直接淹れて、「ああ、美味い」とか言いながら啜るのが、このお茶の一番美味しい飲み方だと俺は思う。炬燵なんかも似合う。

 そんなお茶が、お手ごろ価格で買いたい時に買えるのは本当に嬉しい。とりあえず、しばらくは品切れを心配せずに、飲みたいだけ飲んで、無くなったら買い足せる。それでいて、グレードはかなり高いと思うのだ。飲んだ時の満足感が凄いから。それが、いつでも手に入る(ここ、重要)幸せ。色々と寒かったり、ピンチだったり、良い状況じゃなかったりしたまま、寒い季節に突入する日本の、ささやかな喜びである(俺だけかもしれないが)。

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お茶請け殺しのお茶

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500年茶樹鳳凰単叢

 ひらたさんに飲ませてもらった、500年茶樹の鳳凰単叢が美味かった。単叢って色んな種類があるけど、その色んな単叢の美味しさの共通項みたいなものを抽出してアクを抜いたような、鳳凰単叢の世界標準、みたいな味わい。バンブー茶館の各種単叢のような、強烈な華やかさや力強さは無いのだけど、例えば、果実のような甘さとか、喉を潤す心地よさとか、爽やかな香りとか、そういう単叢の美味しさのポイントみたいなものは一通り備えていて、でも軽くて、すいすいと飲んでしまえる。

 そして、何といっても驚いたのが、お菓子と一緒にこのお茶を飲んだ時。全然、同じなのだ。お茶だけで飲んだ時と、お菓子を流すために飲んだ時とで、お茶の味わいが全く変わらない。もちろん、口の中のお菓子味を流してくれるのだけど、それが味に全然影響しない。相手は、栗きんとんとか、栗のケーキとか、栗のコンフィッツといった、かなりしっかりしたお菓子だというのに。

 凄くしっかりした味わいのお茶なのかも知れない。でも、甘さも儚い感じで、全体に感じる味わいはあくまで淡い。その時に飲んだ、鉄羅漢とか金奨大紅袍(バンブー茶館)といった、味もしっかり、香りもしっかりした岩茶でさえ、お菓子とのマッチングで、より美味しかったり、イマイチになったりするというのに。つーか、それがお茶請けと一緒に飲むお茶の楽しみだろうと思うわけで。

 でも、お茶はお茶で美味しく、お菓子はお菓子で美味しいなら、それはそれで何の問題もない。お菓子が負けるとかお茶が負けるとか、そんなことを考える必要がないお茶。そんなのもあるのだなと。

 そして、このお茶、恵さんも書いていたように、出がらしに近くなっても、その美味しさの質は変わらず、同じようにお菓子の影響を受けない。味の基本的な部分が、凄く特徴的なのだろうけど、感じ方としては普通に凄く美味しい単叢というだけ。春風秋月Andyさんの話によると、今年の春まで春風秋月で売ってた「単叢王」が、このお茶と同じ樹の茶葉だったそうだ。「仕上げは違うけどね」とAndyさん。確かに、あれも美味いお茶だったけど、お菓子に影響されないお茶だったかどうかは覚えていない。

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特等東方美人(海風號 2004夏)

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特等東方美人
海風號
30g、4000円

 Formosa Tea Connectionの白毫烏龍茶の記事を書いた次の日かその次の日に海風號に行ったら、「鼻が利きますねえ、今、東方美人が入ったんですよ」と設楽さん。設楽さんの友人も「美味いです」と言いながら、その東方美人を飲んでいる。

 早速飲ませてもらったら、去年のものとほぼ同様の感じ。「同じところの同じグレードのお茶ですよ」と設楽さんが言う通り、去年のもの同様、いきなり舌当たりがビックリするほど甘くて、その直後にその甘さを包み込むような、まるーい感じのお茶の味わいが口に広がって、しっとりと喉の奥に流れ込んでいく。

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 すげえ退廃的なお茶だなと思う。何というか、飲んでる間、お茶飲むこと以外何もしたくなくなるような、ダラリとした美味しさ。夜中とかに、ただこのお茶を飲みながら、古いサイケデリック系とかのダラダラした音楽を流して、ボーッとしたりエッチなことしたりして過ごすと気持ちいいだろうなあと思う。好都合なことに、30煎くらい出るし。

 そのへんがFormosa Tea Connectionの白毫烏龍茶との大きな違い。Formosaの方も、ずーっと飲んでいたい感じで、何煎も飲めるのは同じなのだけど、もっとお茶と向き合う感じになるのだ。スッキリした喉越しが退廃を許さず、思索とか瞑想とかの方向に向いた感じ。どちらも、他のことはあんまりしたくなくなるのは共通してるけど。うーん、効き目が違うクスリみたいなもんか。

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白毫烏龍茶(FormosaTeaConnection 2004夏)

白毫烏龍茶(ビャクゴウウーロンチャ)
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分類:青茶
産地:苗栗縣頭屋郷茶區

購入
2004年7月
FormosaTeaConnection
30g、3200円

 他のお茶同様、東方美人も「東方美人」というだけでは同じものとは思えないくらい、色んな種類があって色んな味わいがあるように思う。もちろん共通するトーンはあって、だから恵さんの「丸まった東方美人」も「あ、東方美人の味がする」と思えるのだし、清水一芳園の香檳烏龍茶を飲んで「ああ、結構東方美人っぽい」とか思ったりする。

 それでも幅が広いように思うのだ。例えば、海風號去年の特等東方美人のような、やたら茶葉が大きくて、飲むとナチュラルな甘さがずーっと続いて、味も香りもトロリとした感じのものもあるし、今年のFormosaTeaConnectionの白毫烏龍茶のように、甘い香りと味はしっかりありながら、全体にシャープな味わいで、甘さよりも高級ブランデーみたいな芳醇さを感じたりもする。

 上記の二つのお茶に共通するのは、何というかスペシャル感のようなもの。良く言えば他では味わえないオリジナリティと気持ち良さだし、悪く言えばお高い感じ。でも、東方美人というお茶のムードと、このスペシャル感は良く似合う。これが鉄観音だと気取っててヤだなあとか思うこともあるのだけど。

 で、FormosaTeaConnectionの今年の白毫烏龍茶は、そんなスペシャル感を十分に感じさせながらも、冷やしたり、他のお茶や酒で割ったりしても美味しかったり、適当に淹れても美味しかったりという身近な感じもあるのが好きだ。

 ここんとこ、いくつかのお茶を平行して飲む時、必ず、この白毫烏龍茶をラインアップに入れておいて、お茶とお茶の繋ぎに飲んでいる。いつ、どういう状況で飲んでも美味しく飲めて、しっかりと甘さもあるけど、飲んだ後がスッキリして、まるで、お茶というより凄く美味しい水のように使えてしまうのだ。

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石古坪烏龍茶(しゃおしゃん焙茶工房)

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 しゃおしゃん焙茶工房の前田さんから送っていただいた「石古坪烏龍茶」をようやく飲んだ。送ってもらう前から飲むのを楽しみにしてて、でも楽しみにしすぎて、飲むタイミングを外してしまっていたのだった。で、久々にのんびりとお茶を飲む時間がとれたので、海風號水平早期壺で丁寧に淹れて飲んだ。

 この石古坪烏龍茶は、2002年秋のもので、焙煎した後で1年近く宜興の甕に入れていたものだそうだ。売り物ではなく、甕に入れていた茶葉の総量が200gくらいだそうで、送っていただけて本当に嬉しかった。前にこのblogで石古坪が好きだと書いていたのを覚えて下さっていたようで、何でも書いておくのは大事だなと思ったのだった。

 やっぱ、好きな味だ、石古坪烏龍茶。バンブー茶館のものが特別かと思っていたのだけど、このしゃおしゃんのも、その特徴的な味わいは同じ。凄く美味しい清香系の単叢から甘さとかフルーティーな香りといった装飾的な特徴を取り払って、その奥にある「お茶のお茶らしい部分」を抽出・強調したような味で、「お茶だなあ」というしかない美味しさ。

 ひらたさんによると、石古坪烏龍茶はかなりプリミティブなお茶だそうで、この「お茶らしさ」を味わっていると、何となく、プリミティブであるという説に説得力があるなあと思うのだ。

 バンブー茶館のものとの違いは、「美味い」という味が際立つバンブー茶館に対し、より丸く、より柔らかいしゃおしゃん、という感じだろうか。どちらも、尖った感じがどこにも無いのが美味しさの秘密だと思うのだけど、口から喉にかけての美味しさはバンブー茶館、身体へのスムーズな吸収はしゃおしゃん、と考えると分かりやすいかも。

 いずれにせよ、美味しい石古坪烏龍茶が俺は好きだということは間違いない。しゃおしゃん焙茶工房には是非レギュラーのお茶として扱ってもらいたいお茶だ。実際どうなのかなあ、難しいのか。

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東方美人を考えた

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竹里館の35%東方美人ぬるま湯出しを冷やしたものをお土産に。

 東方美人の発酵度について、日本では70%と紹介されることが多かったせいか、「そんなに発酵させるわけがない」とか「日本人は間違った知識を得ている」とか、そんな話をあちこちで聞く。その度に、別にどうでもいいじゃんか、とか思っていた。別に発酵度の数値と美味い不味いに何の関連性も無いし、とか。要は、高発酵のお茶ってことでいいじゃん、とか思っていた(前にも書いたな、この話。こだわってるのは俺か?)。

 そんな中、竹里館の「発酵度35%の東方美人」というのを飲んだ。普通に美味しかった。甘味が強いお茶で、普通に東方美人の味と香りがする。喉越しに感じる発酵風味が少ないというか、そこで、すーっと爽快感を出すので、ああ、普通の東方美人より発酵が低めなんだな、という気がする程度で、それはそれで東方美人なのだな、と思った。

 雲南省産の東方美人というのも飲んだ。もはやFormosa Oolongでは無いけど、まあ鉄観音種ではない木柵鉄観音とかもあることだし、ネーミングはどうでも良いと言えばどうでも良い。飲んだ雲南省の東方美人は、まごうことなく、雲南省の東方美人の味がした。味の、香りの傾向は間違いなく東方美人。でもゆっくり味わうと、テン紅とか雲南緑茶などにある(また若いプーアルとかも)何というか、雲南省っぽさというか、独特の汗臭さみたいな香りがある。決して不味くは無く、どちらかと言えば美味しい部類に入ると思うのだが、普通の東方美人とか、普通の雲南紅茶とかの方が美味いのになあ、とも思った。

 その後、ダージリン白茶、ダージリン烏龍、蜜香烏龍なんかを立て続けに飲む。オカイティ農場のダージリンの1st、グムティ農場のダージリンなど、発酵のしっかりした紅茶らしい紅茶も飲んだ。

 蜜香烏龍は、烏龍茶にウンカをつけて作った、まあ東方美人モドキとでもいうようなお茶。何か難しい味だ。東方美人の東方美人的に美味しい味は、まあウンカとか高発酵とか色々あるのだろうけど、品種と茶葉と茶師以上に、その味を決定するものは無いのではないかと思う。発酵度が低くても、東方美人的に美味いお茶が作れることは竹里館の35%東方美人が見せてくれた。産地と茶師の違いによる味わいの違いと共通点は、FormosaTeaConnectionの去年結局レギュラー入りしなかった賞をとったお茶と、今年の去年のより遥かに安く出せるのに凄く美味い東方美人との比較で、何となく分かったような気はした。

 ダージリンは青いファーストフラッシュにせよ、白茶仕上げ、烏龍茶仕上げにせよ、つまり発酵度を変えて製茶しているわけだけど、どれもダージリンの味がするし、美味いのはしっかり発酵させて紅茶に仕上げたものだった。高発酵のお茶独特の喉の奥をじゅっと潤す感じは、やはりしっかり発酵させなければ生まれないのだなと思った。

 だから、東方美人の発酵度なんて、本当にどうでもいいというか、美味さのバランスの中で、しっかり発酵させてあるからこそ美味いお茶とか、発酵を抑えて別の美味しさを引き出したとか、そういう工夫は面白いと思うけど、そこに発酵度の数値が入り込む余地は無い。というか、「東方美人はこういうお茶です」とか「鉄観音はこういうお茶です」とか、そういう広い括りでの解説そのものが意味をなさないのではないかと思う。

 どうしても、そういう解説をするなら、東方美人というのは、これこれこういう味わいを含むものが多いお茶です、といった、味や香りの共通点を具体的で平易な言葉で描写する他はないのではないかと思うのだ。そういうお茶事典とか作る人いないかなあ。産地とか、茶樹の種類とか製茶の工程とか、そんな解説は一切なく、岩韻とかの特殊な表現も使わず、分かりやすい言葉だけで描写されたお茶の香りと味わいの具体的なスケッチ集。欲しい。

 あんまり関係ないけど、Formosa Tea Connectionで、今年の東方美人(Formosaでは白毫烏龍茶名義で売っている)を飲ませてもらって、瑠美さんに「美味いですねえ、これ」と言ったら、ニッコリ笑って「勝ってるでしょ」というお答え。「勝つって誰に?」とか思ったけど、確かに「勝ってる」感があるから面白かった。甘さが、そのまま美味さに繋がっていて、ゴージャスなムードもあるお茶。

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Formosa Tea Connectionの春茶第一弾

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Photo by MEGMU@MAME-EN

 Formosa Tea Connection今年の茶譜を見た時、去年に比べて種類が減っていて、かなり厳選した感じがあった。似たようなお茶が減って、どれもが「飲んでみたいな」と思わせる個性がありそうなラインアップ。これは考えたなあと思った。カッコ良い茶譜だと。

 で、例によってサロンに予約を入れて出かけていく。引っ越すと聞いていたのだけど、それは来年以降だそうで、渋谷のいつものマンションへ。行くたびに増えている家具が面白い。今回の、背もたれが可動する長いベンチは良いなあ。

 俺の方の都合で、居られるのは3時間30分くらいなので、お茶もそれほど色々は飲めない。まあ、近い内に最低もう一回は行くつもりなので、今日は今日飲みたいお茶だけをいただくことにする。

 まずは、高山茶系。基本的に、それほど高山茶は飲まない方だと思うのだけど、ここのお茶は別。梨山にせよ、武陵、大禹嶺にせよ、ここのはいつも、本当に美味しく飲めるのだ。

 最初にリクエストしたのは「石棹烏龍茶」。発酵度は60〜70%で、焙煎無しの生茶仕上げというもの。そんなの飲んだこと無かったんで茶譜を見た時から気になっていたのだ。で、飲んだら、美味かった。生で高発酵ということから予想していたモノと大きく違うことはなかったけど、それでも実際に飲むと、口の中に広がる生茶らしい爽やかさと、喉の奥を潤すように流れる発酵風味という二重攻撃は、中々の味わい。

 続いて、「瑞里烏龍茶」「樟樹湖烏龍茶」と飲ませてもらう。石棹→瑞里→樟樹湖と、徐々に発酵度が下がり、焙煎が強くなる(といっても軽焙火だが)並び順。どれも、高山茶らしい美味しさはシッカリしてるのに、高山茶にありがちの、強過ぎる生っぽい香りは少なく、美味しそうなお茶の甘い香りがするのみ。そういうお茶だから、俺も美味しく飲める。花香ではなく、甘いお茶の香りである、というのがポイントか。

 瑠美さんイチオシの「瑞里烏龍茶」、バランスが良くいつまでも飲める上に、通販での人気も高いという「樟樹湖烏龍茶」「石棹烏龍茶」も含め、この辺の差は、もう微妙な好みでしかないだろう。俺は、「石棹烏龍茶」が一番好きだったと思うが、また飲むと、また違うのが美味かったと言いそうだ。

 今度は、高焙煎シリーズへ。茶譜を見て一番飲みたかった「炭焙梨山烏龍茶」をいただく。龍眼炭で20時間焙煎したものだそうだ。美味いです。美味い木柵鉄観音から、木柵のネットリした美味しさを抜いたような味と言えばいいのだろうか。いい感じにフルーティーな甘さと焙煎の香ばしさの混ざり具合が好き。

 一九九四年の極上春茶凍頂山烏龍茶を10年間寝かしっ放しにして、本当に10年ぶりに出したという「老凍頂山烏龍茶」が、また美味かった。老茶って、実はあんまり美味いと思ったことは無いのだけど、これは良かったなあ。元々、しっかり発酵・焙煎された凍頂山烏龍茶が好きだからというのもあるだろうけど、ホント、美味い。凍頂山烏龍茶の美味しさの中の、微妙に足りない部分としてのコクを補っているような味なのだ。去年の凍頂山野生茶に通じる感じなのだけど、あのワイルドさではなく、もっと柔らかく深みを増した感じ。「冷茶にしたら、ほんとヤバイよ」という瑠美さんの言葉に止めを刺されて購入決定。

 次は野生茶シリーズ。発酵度80%で中焙火という「福壽山野生茶」は、好みの味わい。ザッツ・お茶。スルスルと入っていく飲みやすさと、奥に複雑なムードを感じさせるのど越し。「うめえうめえ」と言いながら、延々飲み続けられる感じ。茶湯の色は、全然薄いのに、味わいはシッカリしているギャップもいいなあ。ということで、これも購入。

 「太和野生茶」は、去年の凍頂山野生茶に近い感じ。しっかりと色も味も出る茶葉だけど、味がクリアでメチャクチャ美味い紅茶を飲んだ時のような心地よさがある。結構、潜在能力の高さを感じさせたので、ジックリ付きあうと、とんでもなく美味いのかもしれない。とりあえず俺は、購入は、同系統の他のお茶と比べてからと思って見送り。

 とりあえず、今回はここまで。3時間30分で7種類(プラス、冷茶でいただいた凍頂山烏龍茶は、いつもの味で安心。これもそのうち買うのだろうな)は多過ぎか。30分に1種類という感じだもんなあ。出来れば、5種類くらいがベストなんだろうけど、やっぱ欲張ってしまうな。

 デザートにと出してもらった、「杏仁豆腐のマンゴーアイスクリーム添えマンゴーソースかけ」のマンゴーソースが凄い美味かったんで、「これどうやって作ったんですか?」と聞いたら、「これ、最近味噌屋とかに売ってるマンゴージュース」という返事。美味いぞ、マンゴージュース。

 Formosa Tea Connectionでは、OZONEの夏の大茶会でデビューさせる隠し球が色々あるらしく、その一部を見せてもらったが、どれも楽しみ。特にオリジナル茶杯はいいぞ。俺は買うぞ。

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かめきちさんのお茶と表現

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 ANOMAで行われた「大没有品茶会」は、少年ジャンプ的な盛り上がりを見せるものだった。5時間弱で16種類というのも凄いけど、品茶であるなら、そのくらいのことは珍しくないのだろう。まあ、主催のかめきちさんにしても「ゆっくり数種類のお茶を飲む機会もあればいいんですけどね」と言っていた程で、「お茶を楽しむ」という点ではハード過ぎる茶会だったとは思う。でも、凄いのは、そこではない。

 かめきちさんが買い付けてきたお茶を紹介する。みんなに買い付けの成果を報告し、美味しいお茶を飲んでもらいたい。だからこそ、なるべく多くのお茶を飲んでもらいたいという趣旨になるし、俺にしても、色々飲みたいと思ってしまう。予定時間を遥かに越えてしまったのも、「まだ飲んでもらいたいお茶がある」というかめきちさんの優しさと、「あるだけ飲んでみたい」という客側の盛り上がりからすれば当然の成り行きだったと思うが、だから凄かったのではない。

 どのお茶も、本当に美味しかった。そうそう飲めるレベルのお茶ではないというのが、苦手な香りのお茶でさえも感じ取れた。そんな美味いお茶が何種類もあって、それぞれ違った味わいと楽しみがある、そんな品茶会というのも、そうそう無いと思うが、それが凄かったわけでもない。

 ANOMAの美味しい料理。特に阿波の黒茶による茶粥などが色々登場して、でも、それらをセーブしてでもお茶が飲みたい、と浅ましく思って、何煎も飲み続け、一つのお茶に茶杯を複数使い、熱いのを飲みつつ、冷ましてから飲むためのキープを作ったり。その一つ一つのお茶は、確かに凄かったけど、それは予想できた。

 かめきちさんが言う。「今飲んでもらってるのは、美味いお茶です。で、もうすぐ、凄く美味いお茶が登場します。それから、とんでもなく凄く美味いお茶が出てきて…」。何じゃ、そりゃ、と思う。その時飲んでいた「金奨大紅袍」は、かめきちさんの言葉通り、製茶仕立てで、焙煎香が強く、もう少し置いてから飲みたいお茶であるにも関わらず、今まで飲んだ大紅袍の中でもダントツに美味い。でも、それは前座なのだそうだ。

 そして、その言葉通り、次から次へと、味の好みを越えて、レベルそのものが上がっているのが、俺みたいな貧乏舌でさえ分かってしまう、そんなお茶が登場する。それは、ようやく天津飯を倒したらピッコロ大魔王が現れ、それ倒したら魔ジュニア、続いてラディッツ、ベジータ、フリーザ、人造人間、セル、ブウと強さの果てが底抜けになって、強さがインフレを起す「ドラゴンボール」に代表される少年ジャンプ的世界。もはや「美味さのインフレ」。

 例えば、最初に飲んだ「獅頭黄枝香単叢」について、俺は「きちんと単叢らしい味と香りがしながらライトな感覚なのが凄い。甘味も淡泊だけどコクは十分。嫌みが無く、ずーっと飲める」とメモしている。中盤の「烏東金獅子単叢(鳳凰単叢)」では「甘すぎない甘さが美味い。のど越しのスッキリ感が幸せを運ぶ。様々な種類がある単叢というお茶の良いトコ取り的なお茶」と書いている。既に、表現がインフレ起しているのが分かるだろう。「幸せを運ぶ」って、既にお茶の表現ですらない。

 そうして、最後の「棕蓑挟単叢(鳳凰単叢)」に至っては、「透明感の高い香りの向こうに茶葉としての力が見える。甘さ、果実感も樹液系のものではない、他では知らない味。奥行感のある深い味わいとか、そんな、ありきたりの表現しか出来ないけど、それがリアルな表現だと言い切れるくらい美味い。これで冷茶を作りたい」と書いていて、もう寝言みたいなものである。表現することを放棄してるとしか思えない。

 しょうがない。数時間でジャッキー・チュンから魔神ブウまでをアドリブで書き切れるのだったら、俺は今ごろ鳥山明を遥かに越えている。あちこちのサイトで、このお茶会の話が書かれているけど、一つ一つのお茶について詳細に書き記したものが無いのは、要するに、そういう事なのだろう。

 で、意外に大事な事を発見したのだが、言葉がインフレ起して表現し切れなくなった状態でも、ちゃんと前に戻れるということ。それは「棕蓑挟単叢」は美味かったけど、続いて「烏東金獅子単叢」を飲んだら、やっぱり、それはそれでメチャクチャ美味かった。感覚や言葉、表現は、前のものを越えなければならないと思ってしまって失速するけど、味覚は結局、「美味いものは美味い」という地点に留まることが出来る。

 そう思って、お茶会からの帰宅後、バンブー茶館、今年の春茶リストを見ながら、今日飲んだお茶を反芻。4種類のお茶を購入することにして、その旨をかめきちさんにメール。購入したのは、
「烏東金獅子単叢」
「烏東老叢蜜蘭香」
「石古坪奇蘭」
「金奨大香袍」

 「棕蓑挟単叢」「群体単叢」「水仙王」は、最後まで悩んだ。また、プーアルの美味しいのもあるみたいなので、それもお願いすることになるかもしれない。それでも、選んだ四種類は、こういう凄いお茶会を経た後で考え抜いた選択なので、結構胸張ってる。

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岩茶について考える

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 岩茶は難しいと思う。いや、単に飲ませてもらって、「うまいー」とか「好きー」とか「ちょっとコレは」とか「マズっ」とか、言うのは簡単。でも、何というか、同じお茶でも印象がコロコロ変わるのだ。

 昨日、美味いっ、と思っていた大紅袍が、次の日にはイマイチーとか、そんなのが普通にある。もしかしたら淹れるのが難しいのか? ひどい時は、飲んでる端から、美味いっ!という瞬間と、何じゃコリャという瞬間が入れ替わったりもする。何だろう。

 最近で比較的安定して美味しかったのが、春風秋月の大紅袍。これは、何時飲んでもちゃんと美味しかった。続いて、飲んでしみじみ美味かったのが、海風號で飲ませて貰った白芽奇蘭。でも、この白芽奇蘭って岩茶ではないらしい。設楽さんが言うには「鉄羅漢といって注文したら、コレが来たんだよなあ」だそうだ。

 で、問題は、この白芽奇蘭が岩茶の味がした事。その上で凄い美味いなあと思ったのだが、このお茶は岩茶ではないらしい。ほら、もう分からない。まだ、海風號では岩茶の販売をするかどうかも決まってないし、俺が岩茶が良く分からないのは、海風號で売ってないからかもしれない。

 にしても、白芽奇蘭、美味かったのだ。春風秋月の大紅袍は売り切れたらしい。バンブー茶館の肉桂王も飲み切ってしまった。しかも、このクソ暑いのに何故か、岩茶が飲みたい今日この頃なのだ。さらに、美味しい岩茶の冷茶とか作ってみたいのだけど、それも、岩茶そのものが良く分かんないから、どうしていいんだか、良くわからない。

 まずは、設楽さんが納得したという鉄羅漢が飲みたいのだけど、それはいつになるのだろうか。ぜひ、海風號で岩茶を扱って欲しいと、本当に思っているのだ、俺は。

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冠軍茶王と炭焙冠軍茶王

 冠軍茶王は、香港の九龍城近くにある茗香茶荘のお茶だそうだ。ひらたさんのblogを読んで、「飲みたい」と言ったらお土産に買ってきてくださった。ありがたいことだ。

 基本的には安渓の鉄観音で、それを茗香茶荘で独自に焙煎した商品のようだ。で、ひらたさんのblogにも書かれていたが、軽く焙煎した「冠軍茶王」と、重焙煎の「炭焙冠軍茶王」があって、その両方をいただいたので、飲み比べてみた。

 まずは「炭焙冠軍茶王」。こういうことを言うと怒られそうだが、この味、前にこのblogでも書いたアサヒの「二度うま烏龍茶」にかなり似てる。もちろん雑味はないし、味わいも豊かで、こっちの方が美味しいのだけれど、味は明白に「二度うま烏龍茶」の延長線上にある。そもそも「二度うま烏龍茶」は侮れないのだ。喜楽茶の炭焙煎烏龍茶よりは確実に美味いし。

 で、そういう味わいだけに「炭焙冠軍茶王」は冷やしたらスゲエ美味い。あと、大き目の茶壷でサラッと淹れると美味いなあ。こういう焙煎が深いお茶で、でもしみじみ美味いお茶は少ないから貴重な気がする。

 で、「冠軍茶王」の方は、海風號の安いほうの金奨鉄観音(設楽さん言うところの「銀奨」)を、もう少し柔らかくした感じ。確かに、コレいい感じのお茶だ。ファンが多いのも分かる。ザッツ鉄観音という感じで、鉄観音茶というものが好きな人なら、大体、コレ好きだと思う。良い感じのお茶。

 うーん、やっぱ俺はしみじみ、青くない鉄観音が好きなんだなと思う。青い生っぽさなら、日本茶で味わいたかったりするし。中国茶、特に大陸のお茶には、がぶ飲みの快感を求めているような気もする。使いやすい大振りの茶壷を手に入れたせいで、余計にそういう事を思う。その一方で、ギリギリまで凝縮したような必殺の一杯みたいなのも飲みたいのだから、人間の欲望には指向性は無い。俺だけってことはないよね?

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金奨鉄観音(海風號)

金奨鉄観音(キンショウテッカンノン)
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分類:青茶
産地:福建省

購入
2004年4月
海風號
70g、2000円

 鉄観音というお茶の味について、どれだけ知ってるかと言われると、ほとんど知らない。でも、これまで飲んだ色んな鉄観音の、どれにも共通する味があることは分かっていると思う(気のせいかも知れないけど)。その味が好きだから、俺は鉄観音が好きなんだと思う。

 その鉄観音が鉄観音であるような味は、実際のところ、それほど高級な味わいではないのではないかと思うのは、単に俺が貧乏舌だからか。もちろん、高価な鉄観音の青い甘さも分からないではないけど、「鉄観音が好き」と言った時の「鉄観音」の味は、そういう甘さや香りを指していないような気がするのだ。

 もっと、焙煎と発酵味がお茶の風味に混ざり合って、花の香りが奥の方で感じられる程度で基本は香ばしいお茶の香りがメインで、味は、甘さもあるけど際立たず、ちょっと渋味に近い酸味があって、青臭さが無い、柔らかい発酵風味が喉の奥に残る、そういう仕上がりに似合うのが、鉄観音テイストかなと思うのだ。

 海風號の新しい70g、2000円の金奨鉄観音は、正にそういう味の、飲む人が飲めば「何て安っぽい味」と言いそうな、ちょっと古いタイプのお茶。設楽さん曰く「オヤジの鉄観音」。確かに、既に売り切れた「特等鉄観音」のピチピチしたセクシーさに比べると、いかにもオヤジ臭い。でも、俺はそのオヤジ臭さこそが「鉄観音の味」だと思っていて、それが大好きなのだった。

 大きめの茶壷に、多めの茶葉。ヤカンから熱湯をがーっと入れて、20秒くらいで、そこそこの大きさの茶杯に注いで回る。で、みんなでガブガブ飲みながらバカ話する。そういう事が出来るお茶。
 それでいて、一人でのんびり飲むのにも良い、味わい深さだってあるお茶。結構、煎も効く(10煎程度は当たり前)。あ、淹れ方のコツとして、茶漉しはあった方がより美味く飲めると思う(設楽さんも、これ淹れる時は茶漉し使ってた)。

 実際のところ、好きの度合いで言えば、特等鉄観音よりもこっちの方が好きなのだ(まあシチュエーションや、その時の気分で変わることはあるにせよ、おおむねは)。

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大紅袍(春風秋月)

大紅袍(だいこうほう)
Da hong pao
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分類:青茶
産地:福建省武夷山市

購入
2004年4月
春風秋月
25g、2500円
(が、試飲させてもらっただけなんで未購入・購入予定)

基本データ
 中国茶の神様として知られる大紅袍。春風秋月が紹介するのは最高級大紅袍の繁殖茶樹から作られたものです。まろやかでフルボディ。豊かな香りと風味が特徴です。(春風秋月ホームページより)

飲んでみた
 いわゆる第二世代大紅袍で、元の木に近いところにある茶樹からとれたものだそうだ。茶葉は、これまで見たことがある大紅袍の中では一番、焙煎が少ない感じ。香りも、パンチが効いているというタイプではなく、岩茶らしい甘い香りがふんわりと漂う感じ。

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 お茶の茶杯と接する部分が白く透明になっているのが、大紅袍の証なのだそうで、なるほどー、とか言いつつ飲む。何ともまろやかなお茶。渋味もなく、苦味も無く、焙煎の香ばしさも際立たず、甘さは十分ありつつ、やはり主張せず、とろりとさっぱりの中間くらいで、喉にすーっととまったりとの中間くらいで通り抜けて、雑味とかイヤな感じとか、そういうのが全然なくて、あー美味しいというお茶だった。

 ただ、その美味しさは舌よりも頬の裏で感じる方がより美味いので、小さな茶杯で飲むより、少し大きめの茶杯で口いっぱいにゴクンと飲む方が、より美味さを存分に楽しめると思う。頬の裏と喉が一番美味くて、舌はその次かな。

 この大紅袍を飲んだ直後に、以前、かなり美味いと思った、ここの半天腰を飲んだら、その違いにビックリした。半天腰も美味いのだが、まろやかさとか雑味の無さとか、全体の風味とか、飲んでいての幸福感とかが全然違う。

 美味いぞ、この大紅袍。少なくとも、これまで飲んだ大紅袍の中では一番美味い(つっても、大紅袍って、遊茶と緑碧茶園と英記茶荘でしか飲んだこと無いが。海風號のカウンターの向こうに最近置いてある大紅袍と書かれた茶筒も気にはなるのだが、あれは美味いのだろうか)。

 25gのパックを限定50個。もう残り40個切ったそうだ。俺も1パック買う予定だから、さらに減る。とりあえず、美味しい岩茶を飲んでみたいという場合に最適ではないかと思う。そのくらいクセがなくて美味い。

 で、今日は荷物を増やせなくて買えなかったのだが、それを後悔するくらい、後で香りと喉の奥の味わいがフラッシュバックして、凄い飲みたくなった。結構ヤバイお茶かもしれない。

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極品凍頂烏龍(春風秋月)

極品凍頂烏龍(ゴクヒントウチョウウーロン)
Dong ding wu long cha
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分類:青茶
産地:台湾凍頂山鹿谷郷
時期:2003年冬茶

購入
2004年3月
春風秋月
HP開設記念プレゼントで頂いたもの
(買えば、25g、2000円)

飲んだ
 凍頂烏龍茶は、名前が有名な割に買う店で極端に味が違う。まあ、それが「凍頂烏龍」である証拠としての基本の味というのはあると思うし、飲めば、「ああ、このへんが凍頂」と思うことは出来る。でも、そのポイントになる味や香り以外の部分が物凄く違うから困る。

 俺が好きなのは、Formosa Tea Connectionの発酵も焙煎もしっかりした、いわゆる古早味のもの。もしくは、もう少し焙煎は軽くても良いから、発酵風味を感じさせてくれるもの。だからフローラルな香りが強いのは、あんまり好きじゃない。

 で、世間に出回る凍頂烏龍茶は、高発酵高焙煎のものから、低発酵低焙煎まで幅広く、さらに偽物もあり、偽物でも美味いのがあったり、本物でもマズイのがあったり、高発酵高焙煎でも不味いのもあるし、低発酵低焙煎でも美味いのもあるしで、相当混乱している。

 正直に言うと、俺はFormosa Tea Connectionのもの以外では、茶葉を買ってまで飲みたい凍頂烏龍茶に出会ったことが無かった。美味いと思う凍頂烏龍茶はいくつもあったのだけど「こりゃうめえっ!」というのはFormosa Tea Connectionのものだけだったのだ。

 で、この春風秋月「極品凍頂烏龍」だが(やっと本題だ、マクラが長いね)、美味いよ。Formosa Tea Connectionのより、焙煎が軽くて、発酵は同じ位か、ちょっと少ないかなという感じ。どっちが好きかと聞かれたら、Formosa Tea Connectionの方が好きだけど、初めて、それに対抗できると思った凍頂烏龍茶だ。

 最初に凍頂烏龍茶の基本的な味と香りと書いたけど、その基本味が、俺としては発酵や焙煎がしっかりしてる方が際立って美味しくなるような種類のものだと思っているのだ。生に近づくほど、せっかくの凍頂烏龍茶らしい美味しさが消えるような気がして(もっとも、その「基本的な味」というのが、単に俺の思い込みで、実は間違っているのかもしれないけど、まあ、嗜好品は主観が決め手ということで)。

 で、その凍頂烏龍茶らしい味わいが、凄く前に出ているのが、春風秋月の極品凍頂烏龍だと思うのだ。で、焙煎も発酵も中くらいだから、生サイドも高発酵サイドも、焙煎好きも焙煎嫌いも、どちらも楽しく味わえるのではないかと思う。それを中途半端と評することは出来るし、確かに際立つ美味しさは無い。でも、飽きずにいつまでも「美味しいなあ」と思いながら飲める味と香りとコクのバランスの良さがある。

 今なら、これが無料でもらえるというのだから、さらに凄い。先着500人は大盤振る舞い。すぐに春風秋月のホームページに行って会員登録すべきだと思うのであるがどうだろうか(何故、大袈裟口調か)。

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肉桂王(バンブー茶館)

肉桂王(ニッケイオウ)
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分類:青茶
産地:福建省武夷山市
時期:2003年

購入
2004年3月
バンブー茶館
50g、6500円

飲んだ
 かめきちさんの、今お勧めできる茶葉リストから購入したもの。「昨年の武夷岩茶で最も評価の高かったのがこれです。強力な岩韵があります。おすすめ!」というコメントが付いていて、文句なしに美味いと思える岩茶が飲んでみたかったので購入した。

 実は岩茶をよく知らない。岩茶房にも行ったことないし、海風號では今、岩茶を扱ってないし(鉄羅漢をやるかも、という話はあるが)。春風秋月で飲ませてもらった酔貴妃と半天腰は、どちらも美味しかったが(特に半天腰は美味かった)、いわゆる「岩韵」と呼ばれるものを俺は知らない。

 「ほら、これが岩韵だよ」と言われても、感覚は共有できないから、どれが「これ」なのか分からない。本やサイトでも、岩韵の具体的な描写がされているのは読んだことない(読んで分かるものでもないと思うが)。誰かの本に「これが岩韵だ」と言って偽物を売りつける人がいる、とか書いてあった気もする。

 で、この肉桂王は「強力な岩韵」があるという。強力なら分かるかもと思ったのだった。で、飲んだ。美味かったから、ずーっと飲んだ。本読みながら何煎も飲んで、出なくなったら、そのまま茶葉替えて、また飲んだ。
 最初の1煎目は、甘かった。焙煎の甘味と岩茶を飲む時によく感じる甘味が、甘い香りと一緒にやってくる。2煎目は、甘さが後ろに引いて、「お茶っ!」という感じが前に出る。緑色じゃなくて、赤茶色の「お茶」の味。

 その後は、のど越しにミネラル感というか、滝から流れ落ちる凄く美味しい水を飲んだ時のような清涼感を感じる。舌には、甘くも無く渋くも無く、ただしっかりした美味いお茶の味わいが感じられ、喉には、山の水のような心地よさが通り抜ける。面白いのは、熱いお茶を飲んでいて、その熱さも味わいの厚みを作っているのに、のど越しの清涼感は冷たい水のような感じがすること。

 これが「岩韵」なのか? それは分からないけど、こののど越しは癖になる。味は甘くなくて、香りだけいつまでも甘いというのも好み。そういえば、春風秋月の半天腰も、ここまで強力ではないものの、似たようなミネラル感を感じたことを思い出す。
 間違いなく言えるのは、このお茶が文句無く美味いということ。でも、何故か一人で飲みたいお茶のように思う。別に高いからではなくて。

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安渓鉄観音2002冬(ANOMA)

安渓鉄観音(アンケイテッカンノン)
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分類:青茶
時期:2002年〜2003年にかけての冬茶

購入
2004年2月
ANOMA
50g、1900円

飲んでみた(つーか、飲んでる)
 バンブー茶館の去年の冬の鉄観音であるらしい。茶葉も青く、水色も薄い、いわゆる清香タイプのものだけど、青っぽさ、生臭さは強くなく、心地よく飲み続けられる。味の印象としては、とにかく優しい感じ。香りも味も、ほんのり甘く、輪郭が丸く、特に主張することもなく、するすると喉を通り抜ける。

 感じとしては、海風號金奨鉄観音Bに似ているけど、もっと甘い。金奨鉄観音B特等鉄観音の間くらいの感じで、それをちょっと物足りないムードに仕上げた、というと分かりやすいか。普通に淹れて普通に飲むと、ちょっとお茶としてのインパクトは弱過ぎる。流石の俺が、少し濃いめに淹れてしまうほど(普通なら30秒のところ、このお茶だと50秒くらい)。茶葉も多い方が美味しいと思う。

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 淹れた後の茶葉は、こんな感じ。茎が目立つ。海風號の特等ほどではないけど、この大きな茎が甘さの秘密か。茎は太いというより長い。また、結構発酵してる感じはする。青っぽさを感じないのは、それが原因か。
 甘くて優しいお茶が飲みたい時は、これ、結構良いと思う。ただ、仕事しながらとか、お菓子食べながらだと、ちょっと印象が薄過ぎて、物足りない感じはある。

 深夜なんかに、ぼーっとして、広い茶盤の上でダラダラとこのお茶を淹れながら、無意味に夜更かしすると気持ちいいような気がする。手元に、こういう優しい味のお茶があると思えることが、重要のような気もする。

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