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今回の東京中国茶倶楽部(TCC)定例茶会のテーマは「泡沫茶会」。中国茶を抹茶状にして、お抹茶みたいにして飲んでみようという趣向。発案は薬膳料理研究家の青柳さん。
どうやって抹茶化するかという問題は、平田さんがアマゾンで「ポーレックス お茶ミル」
という道具を見つけてきてくれて解決。これが3000円と安価ながら、石臼と同じ構造で、刃はセラミックで、かなり細かく挽ける仕様になっている。
まず、最初は「ポーレックス お茶ミル」
の威力を見る意味もあって、尾張一宮お茶の福寿園の「奥美濃白川茶」。岐阜の昔ながらの煎茶だそうだ。これをできる限り細かく挽いて、抹茶茶碗2つで茶筅使って点てる。俺を含めて、お茶を点てられる人が多いので、この後は交互に色んな人がお茶を点ててくれた。今回は、全員が一丸となって実験に向かったので進行もスムーズだった。
で、尾張一宮お茶の福寿園の「奥美濃白川茶」だが、煎茶はかなり薄く淹れても大丈夫ということが分かった。かなり薄くしないと甘味も出ないし、お茶の味が分かりにくい。苦さの向こうに風味があるのだけど、そこに届かない。点てたお茶は一度茶海に移して注ぎ分けるのが良いということも分かった。
1.「文山包種茶」茶房ヒロ
ここからが本番。まずは緑茶に近い所からということで茶房ヒロの「文山包種茶」(陳樹根製)を挽く。粉を舐めると、やたらと文山の文山らしい風味が強い。煎茶の時より茶色さが出てて、おお発酵してるんだなと思う。そして点てて飲む。もう点ててる時から文山が苦手な人には堪らないくらい文山の香りが立つ。飲むと、元々強いお茶であるせいもあって、ガツンどころかいきなり酔うくらい強い。しかし、味わいは柔らかくて苦味や渋味は無い。少ないが甘味すら感じる。文山味のキャンディーの原材料を飲んでいるような気がした。
2.大禹領烏龍茶(台湾政府の証券関係の次官よりの頂き物)
正月に俺が主催した「ダラダラ茶会」に平田さんが持ってきてくれたお茶の残り。元々、かなり美味い大禹領であった。それを挽いて点てて飲む。粉も美味かったが、点てたお茶は何となく、日本のお抹茶に近い味がした。甘味も抹茶に良く似ている。違うのは香り。これはもう、遠くからでも分かるくらい大禹領。凝縮感がある。しかし、美味い。そこそこイケる。しかも濃く点てても美味い。後味に気強い感じが走り抜けて、「飲み過ぎは身体に毒」という言葉が脳裏に浮かぶ。
3.宋種単叢(3年前のかめきちさんの所のお茶)
単叢は、粉にした時点では色が悪い。点てた色もちょっと泥水風。「泥水飲み飲み浮き沈み」などという言葉が浮かぶが、これが人は見掛けで判断してはいけない。美味いです。これは本気で美味いです。単叢特有の苦味がひたすら増幅されて喉を通り抜ける、その瞬間が凄く心地良い。お茶の苦味が好きな人には堪えられない風味の良さ。高級なエスプレッソのような飲み口。かなり苦いのだけれど後味に嫌みが残らず、むしろ爽やかでさえある。色は本当に汚いのだけど、味は良いのだ。俺と勝又さんは何杯も御替わりしていた。
4.観音王(春風秋月)
御馴染、今、春風秋月ホームページの通販で5000円以上買うとプレゼントしてもらえる観音王。マジ美味いお茶。今、日本で買える鉄観音茶で一番美味いと個人的には思っているお茶。俺がリクエストして出してもらった。これを粉にして飲むのである。これが粉を舐めても美味いのだ。カカオの風味でチョコっぽい。点てると、さらにチョコレートというかカカオ風味が強い感じで。凄く美味しいココアを砂糖抜きで飲んでいるような感じだった。渋味が全くなくて、ほろ苦くて、皆さんにも大好評。皆が美味いと言って飲んだ。
5.ダージリン1st(2003年、ラ・メランジェ)
今飲んでも凄く美味いと平田さん絶賛の紅茶。普通に飲みたかったけど今日は泡沫茶会。これも粉にして点てて飲む。点てると結構泡立つのだが、どうもアクっぽかった。香りはとても良いのだけれど、飲んでみると、やはりアクが出ていて飲み心地は良くない。これも紅茶飴を作る前の濃縮液みたいな味と言ったら良いのか。不味くは無いのだけど、紅茶は粉で飲むのに向かないような気がした。
最後に、普通のお抹茶を飲んだ。美味い不味いで言えば、これが一番美味かった。ただ、その美味さの大きな要因は、粉のきめの細かさの違い。やはりかなり細かくなっているようでも、製品として売られているお抹茶の細かさには遠く及ばない。その粉っぽさの無いクリーミーな飲み心地と、スッキリしたお茶の風味が合わさって抹茶は美味いなあと飲めるのだな、ということが良く分かった。やはりミルで挽いたお茶は、かなり粉っぽいのだ。
しかも、やはり強い。出席者の多くは早くも興奮状態だし、帰宅後、眠れなかった、興奮が納まらないといった報告もあった。俺は、興奮はしなかったが、胃がちょっとキリリとした。薬膳料理研究家の青柳さんによると、「この飲み方はとても健康には良いのだけど、胃には凄く悪いから、お茶請けを食べながら飲んでね」ということだった。
美味かったのは「大禹領」「宋種単叢」「観音王」。つまり、元のお茶が美味ければ、抹茶にしても美味いと、そういうことなのか。単叢の抹茶は、何というかお茶は樹木なんだなということを強く感じさせる旨みだった。「観音王」は普通にお茶として美味くて、でも、どこかお茶から離れた感じもあった。大禹領はちょっとシツコイ抹茶という感じだった。
途中、今年の龍井を普通に淹れて飲んだら、何だか妙に水っぽかったのは、抹茶状態のお茶をガンガン飲んでいたからだろうか。でも、何というか凄くお茶そのものを飲んでいる感はあって、それを身体が受け止めてる感じもあって、これはもう薬飲んでるようなものかも知れないと思った。昔、猪肉とかを食うのを「薬食い」と言ったらしいが、あれも、獣の肉が、普段食べているものに比べて、食べ物としてとても強いから「薬」と呼んだのではないかと思うのだ。
何か、凄く色んなものを身体の中に入れたと思う。しかし、観音王と単叢(のいい奴)に関しては、時々抹茶にして飲むのも良いなと思っている。そのためにも「ポーレックス お茶ミル」
を買おうかとか。