
バー歯車「ジン+ウィルキンソン+アブサン」
Photo by megmu@mame-en
カフェをどう使うかは行く人次第なのと同じように、バーに行くのも色んな目的があり、色んな楽しみ方があると思う。若い頃は、主に女の子口説くのに使ってたような気もするけど、俺が基本、喋って口説く方だから、実はバーは成功率が低い。本読みに行ってた時期もあるし、ぼーっとするために行くことも多い。お茶は基本覚醒系だから、考え事とかアイディア絞りとかには向いてるけど、ぼーっとするならアルコールの方が好きだ(プーアルは、ぼーっとする系のお茶だけど)。
ボーッとするのに、バーがとても良いのは、いい加減なオーダーが出来ること。スタバで、細かく自分の好みを入れたカスタマイズ注文をする人がいる。バーでも似たような事が可能だけど、そういう徹底的に自分の好みの飲み物を作ってもらう快感というのが、西洋のドリンク文化のベースにあると思う。バーでも、もしかしたら、そんな風な、膨大な酒の知識を持ち、そこから今の自分に最適な一杯をオーダー、それを、いかに自分の好みに仕上げてくれるかがバーテンダーに期待すること、という感じの楽しみ方が正統派なのかもしれない。
それはそれで面白いし、そういうオーダーをしたい時もあるとは思う。しかし、バーテンダーさんは酒のプロである。だったら、知識も任せてしまってよいのではないかと思うのだ。時々、バーテンダーさんやソムリエさんに酒の知識を披露する素人さんがいるけど、あれは何なんだろう。中国茶とかでも、設楽さんに向かって、自分がいかに中国茶を知っているかを喋り続ける人を見かけたりもする。まあ、本人が楽しいのなら、それで良いとは思うけれど、あれは何が楽しいのだろう。まあどうでもいいけど。ともあれ、知識部分はバーテンダーさんにお任せしてしまうと、こっちは驚くほど楽しめたりするのだ。
先日、バーK2に行った時、一緒に行った某Iさんは、「追い風と向かい風、二杯対になってるのを」というオーダーで、バーテンダーの健太郎さんを追い詰めていた。そして、そのオーダーに対して、見事に対になって、追い風と向かい風になってるカクテルが出てきた。その楽しさは、バー以外では楽しめないような種類の楽しさだと思うのだ。
さらにぐだぐだになると、「栄養があって、空きっ腹でも大丈夫で、フルーツな感じ」とか、「抹茶で何か美味しいの」とか、「だらだらとゆっくり飲める退廃的なやつ」とか、「ラムベースで紅茶みたいなの」とか、そんな頭悪そうなオーダーをして、ボーッとして、飲んで、「ああ、飲みたかったのはコレなんだなあ」と思えるようなのが出てきたら、それはそれはリラックスしてボーッと出来て。その代わり、そういう時は、こっちの希望とバーテンダーのノリが合わないと、とても悲しい状態になる。普通、合わないことの方が多い。だからこそ、合うと嬉しい。長いこと離れていた友だちに再会したような嬉しさ。
バー歯車やK2のような、それぞれに個性の違うバーテンダーさんがいて、きちんと遊びとしての酒を提供してくれる、飲み物で遊ぶ場としてのバーがあるおかげで、俺みたいな、飲み物好きは、本当に楽しく遊べてしまう。まあ、カフェに比べれば価格は高いのだけど、その自由度、ボーッと出来る度合いから考えれば、十分安いようにも思う。しょっちゅうは行けないけど、しょっちゅうボーッとしても面白くないし、時々、でいい。ある意味、飲み物のテーマパークみたいなもんだな、と思って、月に1度か2度、ふらっと遊びに出かけたい。つーか、毎月ディズニーランドに行ってれば、それは十分マニアだろうとか。
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