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おもてなしの一杯シリーズ02

おもてなしの一杯シリーズ02
御代櫻醸造株式会社「櫻」

エムピウという革製品の工房が蔵前にある。俺が今一番愛用している鞄は、ここの製品だ。このところ、くたくた感があるデザインの鞄やケースを作っていて、その感じがとても好きで、取材がてら工房にお邪魔する。その度に、小さなブリキのデミカップに、丁寧に淹れたエスプレッソを出して下さる。革の工房のムードと、少し潰れた感じのデミカップがとても似合っていて、エスプレッソも美味しくて、ついつい話も長くなってしまう。おもてなしの一杯がスタイルになっていて、それがまた好きだ。

映画監督の崔洋一さんの事務所にインタビューに行った際には、豆をその場で挽いてコーヒーを淹れていただいた。眠くて、少しぼんやりしていたので、とても有り難い一杯だった。甘みのある、美味いコーヒーだった。

岩波書店は、地下の会議室のあるフロアはコーヒーの良い香りで満たされていた。「コーヒーが苦手とかありませんよね」という言葉とともに、きれいなカップにきちんと淹れた味がするコーヒーが出てきた。寒い日だったから、余計に美味かった。カップが良いというのも、もてなされてる感じで嬉しいものだなあと、今更ながらに思う。岩波、さすが老舗だ。広辞苑についての取材も面白かったし。

写真は、某雑誌の編集部で今日飲んだ日本酒。夕方から、いきなり飲んでるのは、花見の特集をやってるからだけど、なかなか背徳的で楽しい。醸造大吟醸の香り高い酒だ。まあ、いきなり酒が出てくる編集部は無いとは思うけど、一升瓶を前に、ぼんやり酒飲んでる向こうでは、みなさまが働いてて、何だか不思議な気分だった。

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単ソウ再考

Sany1758
広州門屋の「鳳凰単ソウ宋種」

青柳さんからお土産にいただいた、広州のお茶屋さんの単ソウ三種。そのうち「宋種」を持って、バー歯車に行った。カルヴァドスのカクテルとか飲みつつ、チェイサー代わりに「宋種」を淹れてもらう。美味い。驚くほどとか、感動的とかではなく、ああ美味しい単ソウの味がするなあという感じで、ずーっと飲み続けられる感じ。

きちんと甘味があって、単ソウらしい苦味があって、連れの中国茶はあまり飲んだ事がない女の子が「ブドウの味がする」と喜んでくれるくらい、果実味もあって、良い感じで飲める。単ソウの味の標準みたいな感じで、歯車の濱本君に「これでカクテル考えてください」と、3月のトークショーのネタ作りも兼ねたお願いもする。

飲みながら思うのは、単ソウは凄いお茶じゃなくても良いのかもということ。結構、俺は、蘭亭の安い単ソウとか、遊茶の嶺頭単ソウの安い方が好きだったりする。バンブー茶館の単ソウから美味いと思うのを選ぶと、かなり安い方だったりする。安い単ソウって水出しすると美味いしなあ。良い単ソウって言われてる奴は、かなり青いものが多いし。それはそれで美味いけど、普段飲みたいのは安い奴(といっても単ソウだから安くは無いんだけど)。

この「宋種」は、いくらくらいなんだろう。何となく、そこそこ高く、そこそこ安いような気がする。とても好きな味だった。それで十分だ。

追記
某方からのご指摘で、宋神を宋種に修正しました。寝ぼけて書いてると、こんなミスもやります。いやあ、ありがとうございました。写真見直したら、全然「神」じゃないし。実際、何故「宋種」じゃないのかなあとか思ってはいたんですけど、気にせず、アップしてました。中国に興味が無い中国茶好きなので、こういう部分がダメダメですね。ほんと、ご指摘、ありがとうございました。

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トークショー茶会みたいなのやるんだけど企画とか考えてくれる人とか、お手伝いしてくれる人とかいませんか?

Sany1752
デカイ茶壺は活躍するかな

3月に、AllAbout中国茶ガイドの平田さんと俺がホストになって、100人くらいの規模でお茶会をやろうと思っている、というかやる。会場がしっかりした所なので、100人くらいでも余裕で入れるし、スライドショーみたいなことも出来るし、会費というか、チケット売る事になるんだけど、それも2000円くらいでやれそう。

ということで、今、どんな企画でやれば面白くて、来てくれた人に満足してもらえるお茶会になるかを考えている。とりあえず、お茶を飲んでもらおうと思っていて、そのへん、コンセプト的には「イヤだっと言っても飲ませてやるぜ」みたいな感じで、美味いお茶を用意しつつ、フルーツジュースと混ぜたりして(駄目ですか?そうですか)、バカみたいに、みんなで飲めればいいなと思ってる。

ただ、100人分の茶杯なんか無いしなあとか、お湯をどのくらい沸かせばいいんだとか、お茶請けはどうしようとか、問題も多い。茶杯に関しては、それこそ豊臣秀吉の北野大茶会みたいに、「手持ちの道具を持ちて参加せよ」とか言って、持ってきてもらうとか、このイベントオリジナルの茶杯を作って配るとか考えてる。紙コップは避けたいから。

で、喋りながら、平田さんと二人、ガンガンお茶淹れて、配りまくるというのも面白いかなあとか、器屋さんとかお菓子屋さんにスポンサーになってもらうとか、いろいろ考え中。ボランティアで手伝ってくれる方も募集中。メールとかくれると嬉しいです。で、大勢で、わーっとお茶飲んで盛り上がれると良いなあと。

とはいえ、100人は集まらないだろうなあ。とりあえず目標50人くらいで、実質30人くらいが現実的な線か。最大は150人なんだけど、そこまで来ると今度は、こっちの対応が出来ない。まあ、どれだけ参加者が少なくても決行するので、案外、10人くらいが一番盛り上がったりして(悲)。

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雑味を考える、というか雑味が分からない

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凍っていればクリアという訳でもなく
Photo by megmu@mame-en

お茶絡みでは、雑味という言葉をよく聞く。雑味があるとか無いとか、そういう使い方をする。この雑味というのが、実はよく分からない。お茶を飲んで、味わって、その味のどれを雑味と呼び、どれを茶味と呼ぶ、その決定はどうやって行われるのだろうと思うのだった。

ただでさえ、味覚というのは個人的な体験だ。「美味しい」は共有出来ても、その美味しいの内実が同じとは限らない。だから、「ほら、ここのこれが雑味」と指し示す事も出来ない。さらに、お茶はお茶で、お茶の味というのは、そのお茶の味の事で、お茶自身には、「俺、このへんが雑味なんだよなあ」とかいう意識は無いと思う。

例えば、お茶に他のものを混ぜて、その味を雑味と呼ぶなら分かる。でも、とりあえず混ぜ物がない場合、そこにある味が全部、そのお茶の味で、雑味と感じるものがあるとすれば、それは単に、自分好みではない味が混ざっている、ということではないかと。元々、お茶は、そんなに単純な味ではないし、自分の口の中にある味とかもあるし、体調もあるし、水の味もあるし、そういうのを全部まとめてお茶と呼ぶのではないかとか。

どのみち、個人的な体験の話だから、その何かを「雑味」と表現する人がいても構わないとは思う。でも、何と言うか、その時「雑」という大雑把な表現で切り捨てられる何かに、何となくシンパシーを感じたということかも知れない。こういう文章書くってことは。

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お茶は基本的に美味い

Sany1743
海風號の新入荷の特等安渓鉄観音は優しい美味さ

六本木の「才六」という店に日本酒の取材に行った。ちょっと企画があって、そこのご主人に日本酒のリストを作ってもらっていたのだが、その説明に入る前に、ご主人は「まず、これが基本中の基本だから解って欲しいのだけど、今、ちゃんとした日本酒はどれも美味しいんです。美味しいということに上下はありません」とおっしゃった。大吟醸の方が吟醸より美味い、なんて決まりは無いのだ、そこはもう好みの問題なのだと。

お茶を飲んでいて、俺がいつも思うのは、美味いなあということで、もちろん、気分によって、その時一番飲みたいお茶は変わるし、美味いと思う、その内実も色々ではあるけれど、美味いと思えないお茶は買わないし、飲まないから、大体お茶は美味しいものなのだ、俺にとって。

高いから、希少だから、手間がかかっているから、作り手が今年のナンバーワンだと言ったから、賞をとったから、そうでないお茶より美味いお茶である、なんてことはない。大事なのは、どっちのお茶が高いかが解る舌ではなく、どっちのお茶を今飲みたいのかが解る身体感覚だと思う。それが常に安い方だったりすると、とても嬉しいと思う。時に高い方だったら、たまにはいいかと負け惜しみ言ったりして。で、「美味いなあ」と言って飲む。

日本酒を扱う店のご主人が、わざわざ「どれも美味い」と言わねばならないのは、あんまり幸せなことではない。せっかく、美味い酒が沢山あるのにと思う。自分が美味いと思った事実に間違いは無いはずなのだから、平気で「美味い」と言いたいと思う。

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茶壺は第一印象と触り心地か

Sany1724
これ、ほんと美味そう。凄い。

海風號の新着茶壺を見ていて、これは、と思うものには、何となく共通点があるような気がした。まずは、そこから出てくるお茶が美味しそうかどうか。俺が筋文壺とかが嫌いなのは、何か、上手いお茶が出てくるイメージが出来ないからだったりして、それはもしかしたら、俺の想像力の限界なのかもしれないけど、それならそれで、今の俺の身に合ったものが好きということで問題ない。

で、美味そうなお茶が出てきそう(入りそうではなく、出てきそうだというのがポイント)とまず思ったのが、上の写真の茶壺。正真正銘の文革壺だそうだ。何でも、茶壺屋さんがプライベートで使ってたものを強奪してきたそうで、まだ洗い残しの茶葉が残っていた。養壺済みで、そりゃ美味しそうと思ったわけだ。写真より、もう少し平たくて、肌はキレイなチョコレート色。大きさも200mlくらいで、普通に即戦力。いいなあ、好きだなあ。40000円だったと思う。違うかもしれない。要問合せ。



Sany1727
こういうちょっとざらっとしたのがセクシー

前回のセールでも目をつけてた、この文革壺もやっぱり好きだ。迫力ある土の感じが、美味いよっ、と言ってるみたいで。これも200mlか、もう少し入るくらいで、使いやすいサイズ。しかも、育つのが早そうな土。前に見て良いと思って、今回見てやっぱり良いと思ったので、本当に俺の好みなのだろうと思う。最近好きな水平壺だし。価格は確か35000円。



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一家に一個的な水平壺の名品

これは、ちょっと大きめ(350mlか少し少ないくらい)の水平壺。文革後期のものだそうだけど、土の感じはいわゆる早期壺という奴だと思う。育ちそうで、美味そう。「大きめも水平壺のいい奴って、中々出ないんですよ」と設楽さん。確かに、大きな水平壺は大味なものが多くて、こういう、きちんとしてて美味そうなのは珍しいと思う。というか、前にも書いたけど、良い感じの水平壺って、海風號くらいでしか見ないから、水平壺のファンが少ないのはそのせいではないかとか思う。これは30000円だったと思う。買おうかなあと思っている。



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これは海風號に見に行こう

で、別格を一つ。設楽さんをして「こんなに風格と迫力がある石瓢壺を見たのは初めて」という逸品。これは本当に凄い。何が凄いって、見た瞬間、うわカッコいい、と思ってしまったというか、そんな風に思わせるだけのパワーがあるように見えるのだった。まずはその土色。美味そうなチョコレートみたいな色。こういう色が自然に出てる茶壺から不味いお茶が出てくる気がしない。

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書かれている文字のレベルも高く、反対側の絵も良く出来ていて、何より、ちょっとだけ高い足、ちょっとだけ潰れ目の胴、直立するような潔い注ぎ口の屹立といった、各部の特徴が全部合わさって「カッコ良さ」を作ってる、その造形の見事さ。作家モノらしいけど、特に名がある人ではないらしい。知名度が無くても、凄い作家は普通にいる、という証明みたいな茶壺だと思う(やってる仕事の割に知名度が低い俺としては、自分を見るような気分もあるのかも)。これは24万円。これが高くないと思うほどの名品だけど、俺は高くて買えはしない(泣)。

で、美味しそうと思うポイントは、案外第一印象だな、と思う。ぱっと見て目に付くものは、美味しそうだから目に付くのだ。で、触ってみて、見た目からして重過ぎず、軽過ぎず、ちょっと軽いかくらいが俺的にはポイントが高い。で、肌触りが気持ち良ければ、それは大体自分にとって良い茶壺だ。俺は。

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茶杯を選ぶのはとても楽しいという状態

Sany1712
今回の海風號に来た茶杯では一番好き

海風號に新着の茶杯が沢山やってきた。例えば、上の写真のような、蕎麦猪口が一回り小さくなってスリムになったような奴。海風號オリジナルの茶杯より一回り半くらい大きくて、いいお茶をたっぷり飲むのにちょうど良いサイズ。広がり過ぎないカーブの加減も良くて、持ちやすく、香りを聞きやすく、口当たりも良い感じ。これが、オリジナル茶杯と同じ4000円。



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言わば、新背高茶杯。お茶飲みたくなる

これは、前にあった魚とか子供とか描かれてた茶杯に似てるけれど、あれより少し太くて縦長い。その長い感じが湯呑みっぽくて、見込みについた模様も良い。サイズ的にも、品茶するなら、このくらいの量は欲しいと思っている、個人的には。柄も、呑気な感じで好き。これも4000円。



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小さいながらも名品の風格があった

これは、小さい。ミニ蕎麦猪口みたいな茶杯。俺としては、この大きさの茶杯に用はないけど、そんな俺でもちょっと持っておきたいくらい、形のバランスが良くて、絵がとてもいい。薄手で、とてもキレイな手だ。小さいといっても、よくある品茶杯二杯分はあるし、実用性は結構高い。これも4000円。



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リーズナブルな蕎麦猪口風茶杯

これは、蕎麦猪口タイプの代表的な形、大きさの緑の龍の茶杯。これが、容量的には前の背高茶杯と同じくらいじゃないか。口が大きく開いたタイプが好きな人には、こっちが良いのかも。3500円とお買い得だし。



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こういうのが入荷するのが海風號ならでは

これは、今回の目玉。清朝の茶杯。前に、これと同じ茶杯が海風號にあったけど、あれは引揚モノで、カセが多くて決してコンディションが良いとは言えなかった。今回のこれは凄い。ざっと洗えば、普通に使えるくらいキレイ。欠けも傷もなくて、とても状態がいい。12000円するけど、それでも安いくらいのコンディション。



随分前に、月に一個、気に入った茶杯を買っていこうと思っていて、偶々海風號で隣り合わせた渡辺満里奈さんに、そんな話しをしていたら、「月に一個も気に入った茶杯が見つかりますか?」と言われた。確かに、曹操、ではなく、そうそう気に入った茶杯は見つからず、月に一個なんていうフェリシモみたいな企画はポシャったのだけど、今回の海風號の新着茶杯を見てたら、月に一個づつ買っていけるなあと思った。ここに紹介したのの他にも、色んな茶杯が来てるし。

とか書いてたら、また志の輔蕎麦猪口の写真が撮れなかった。明日は、海風號の新着茶壺を紹介する予定だから、また写真撮れないかも。

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志の輔さんの蕎麦猪口

毎年恒例、志の輔らくご in PARCOに行ってきた。今年の演目は、マンションのエレベーターに防犯カメラを取り付けるための会議の様子を描いた「異議なし!」、in PARCOとしては珍しい、ストレートな古典落語「宿屋の富」、中入後は映画公開記念の「歓喜の歌」。中入り含めてジャスト三時間。例年に比べると、のんびりした感じで、リラックスして笑えた良い会だったと思う。「歓喜の歌」も、かなり整理されて聞きやすくなってた。でも、このネタは年末に聴きたいネタだなあ(初めて聴いた時は、まだ志の輔らくご in PARCOは年末にやってた)。

「宿屋の富」も本来は年末のネタだと思うけど(マクラも年末ジャンボの話だったし)、とても気持ち良く聴けた。こういう、とても落語らしい落語を志の輔さんで聴くと、とても贅沢な気分になれる。笑いの入れ方も上手くて多いし、当たりを知るシーンの描き方の二人のコントラストとか、技巧を見せつつ、笑いにきちんと落とし込んでいくのを見ると、本来落語ってこういう芸だよなあと思って、とても気持ち良い。

そんな会のグッズ売り場で蕎麦猪口が売られていた。最近、志の輔さんが手拭などに使っている「志の輔格子」を使った、紺と赤の2色。これが安かった。今回、会場で売ってた全ての商品の中で、多分一番安い税込み500円。何でも、発売即完売で、今日ようやく再入荷したのだという。そりゃ売れるだろうと思える安さと出来の良さ。

通常の蕎麦猪口より、ちょっと小さくて、むしろ酒とかお茶とか飲むのにちょうど良い大きさ。高さも低めで、良いお茶を、それでもゴクゴク飲みたいという時に使えそう。布甸楽園茶杯より一回り大きいくらいだから。しかも、いかにもお土産グッズという特別感の無さが、また良い。普段飲みに愛用したくなる茶杯を、志の輔さんの会で見つけるとは思わなかったなあ。

今日は眠いので、写真は明日。

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カステラを焼く

カステラを焼く

佐賀で育った俺は、カステラに囲まれて育ったと言っても過言ではない。あと小城羊羹ね。なぜか、この二つは常に家にあって、そのせいか好んで食べることはなかった。何もないときに食べる最終おやつみたいな感じで。

だから、カステラが美味しいと思ったのは大人になってからだった。しかも、実家から送られてきたカステラを放っておいて、食糧難になったある日の深夜に、オーブントースターで焼いて食べたときだった。そうか、焼けば美味いのかと思った。それが間違いだと言うことも、その後気がついて、今ではカステラにも、とても美味しいモノがあることも、そもそも中々美味いものであることも知っている。

それでも、深夜、仕事していて小腹がすいた時、カステラがあると、焼いてしまう。焼いたカステラは、お茶もコーヒーも合うし、バター乗せたり、牛乳と合わせたりとバリエーションも楽しめる。何か、別のお菓子になったような焼き色の付き方も好きだ。ある意味、大人のお菓子ではないかと思っている。

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電気ポットと電気ケトルとお茶

Sany1707
象印マホービン「CK-BA10」(12,600円)

象印マホービン株式会社が新しく出す電気ケトルについて電話取材した。その時に聞いた、電気ポットと電気ケトルの対比についての話が面白かったので書いておこうと思う。

アジア圏では、電気ケトルより電気ポットが売れるのだそうだ。電気ケトルはヨーロッパで人気だという。その理由として、アジアの人々は、日本も含め、四六時中お茶を飲むのだそうだ。仕事中でもお茶を片手に、というのが当たり前の風景。言われてみれば、確かにそうだ。俺もそうだし。で、ヨーロッパではティータイムにお茶を飲むのだそうだ。

ということで、ずーっとお茶が飲みたいアジアでは、一度沸かすと、あとはずーっと熱々のお湯が使える電気ポットが好きで、お茶の時間に集中するヨーロッパでは電気ケトルが発達したのだそうだ。あと、ヨーロッパでは家庭用の電気が220Wと高出力だから、大容量の電気ケトルでもあっという間にお湯が沸かせるのだそうだ。日本の倍以上だもんなあ。

そういうこともあって、日本の大手家電メーカーとして初めて、象印が電気ケトルを出す。これが、T-FALとは全然別の製品になってた。その詳細は、日経トレンディネットに書いたので、21日以降、アップされたら読んでみてね。電気ケトル文化論って感じで、その製品としての違いがとても面白いと思った。

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観劇と木村屋

観劇と木村屋
木村屋「吉祥寺ロンロン限定チーズオレンジ」

劇団☆新感線の正月興行「IZO」の休憩時間に、恵さんからいただいた木村屋のパンを食べた。頂いたのは、吉祥寺ロンロン限定のチーズオレンジと蜂蜜黒豆。どちらも美味い。クリームチーズとオレンジのマッチングは当然良いから、ちゃんと美味しいし、おせちみたいな黒豆を蜂蜜味のパンで包んだのも、変わってるけど美味い。どっちも腹持ちが良いから、長丁場の観劇に最適。

で、ふと思い出す。新感線の芝居の時、俺も木村屋のパンを買うことが多いのだった。あんバターとかピーナッツコルネとか五色あんパンとか。安くて、美味くて、食べやすくて、腹持ちが良い。そもそも、大学時代、文芸座とかで映画見るときの定番もあんパンと牛乳だった。あんパンと言えば木村屋だし。

うーん、考えれば考えるほど、木村屋と観劇はよく似合うなあ。お茶は水筒に麦茶かな、合うのは。

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盆とトレイ

Sany1705
海風號で買った銅の盆と純銀縁取りの木のトレイ

アンティークの盆とかトレイは、一個持ってると、やたら重宝する。適当な茶壺と茶杯でも、良い感じで時代が付いた銅の盆の上に乗せれば、こだわりの茶器みたいに見える。しかも、お茶飲み空間を確保出来るから、周囲のモノを濡らす心配もないし、片づけも簡単。ブログ用の撮影にも使える。

四角くて把手が付いたトレイが、また便利。二〜三人用のお茶セットを一度に運べるし、持ち運んだ、そこがお茶飲む場所になる。把手つきだと、持ち運びが楽だし、お湯こぼすこともない。縁の高さがあるから、紙資料の整理にも使える。茶壺置きにすることも出来るな(というか、前はそうやって茶壺を保管してた)。

どうかすると、茶托よりも使いでがあったりするけど、お茶屋さんにはあんまり売ってないのが不思議なくらい。盆は茶道具扱いではないのか。確かに茶盤とは両立しないから、その辺は問題か。まあ、使い分けだなあ。お盆もトレイも立ててれば場所とらないというのが、一番の利点だし。

と、何気なく盆とトレイを別の言葉として使い分けてきたけれど、盆の英語がトレイだったっけか? 丸いのは盆で四角いのはトレイではなかったか。木製が盆で金属がトレイなら、俺が上で書いた文章は間違いまくりだな。

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しみじみと水平壺

Sany1695
我が家の水平壺3

茶壺を使い始めた頃、水平壺には興味が無かった。文旦壺と漢瓦壺と倣古壺が好きだったように思う。もうあんまり覚えてないけど。初めて買った水平壺は、四年前、海風號に早期壺が大量入荷した時に8000円で買った紫砂の早期壺。当初は、早期壺というのを使ってみたかっただけで、水平壺であることはどうでも良かった。ただ、この早期壺が、やけに育つ上に、良い感じでお茶が入るので、良い茶葉用に随分活躍したのだった(今も活躍中)。

そうなると、形まで良く見えてくる。ルックスに惚れたわけじゃないと思ってても、付き合ってる内に、そのルックスが好きになったりするのと同じようなものなのだろう(これが意外に多い俺)。今では、水平壺の形がとても好きだ。特に、きちんとバランスが取れた奴は、持ちやすいし、淹れやすいし、手入れも楽だし、デザイン上の変な引っ掛かりもなくて、ザ・道具という感じで。

その後、いくつか手に入れた。一つはいわゆる汗かき壺の水平壺。ちょっと大きめなので、3人くらいで飲むのに便利、なんだけど、3人だと、倣古壺の気に入ってるのを使ってしまうから、実は、そんなには使っていない。ゆっくり育てていこうと思っている。もう一つは、文革後期の香港の祥興茶行が記念で作った奴。いい感じの土で、記念品で、でも水平壺だからすんなりしてて。どれも海風號で手に入れたもの。何となく、海風號の水平壺が良いのかもしれないという気にもなる。あんまり、他所で良い水平壺って見ないから。

スタンダードなデザインだからこそ、良し悪しがハッキリするような気もするし、魅力的な水平壺を見つけるというのは、結構難しいような気もする。だからこそ、水平壺はファンが少ないのかもしれないのだけれど、最近の俺は、水平壺でのたのたとお茶を淹れながら、しみじみ、この形が好きだなあと思ったりしているのだった。

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喉を潤すからこそお茶か

Sany1627
茶水の密度が高い感じが保湿性に繋がるのか

お茶を飲んでいて、時々、喉を通り抜けるお茶が、うっすらと喉の粘膜を保護するように水の膜を張るようにして、トロンと落ちていく感じがすることがある。喉の奥が、しっとりする感じが持続するというか、保湿感というか、そんな感じ。

中国茶では、愛子さんとこの茶王、海風號のテン紅、しゃおしゃんの千年古茶青プーアル、あたりに強く感じる。日本茶の一部にも時々感じる。でも、コーヒーで感じることはないし、麦茶や蕎麦茶、ハーブティーで感じることもない。もしかしたら、これが茶樹が飲用として用いられた理由の一つかもしれないと思うくらい、「茶樹」から作ったお茶にしかない感じだと思う。

風邪ひいてる時に、そういう喉への保湿性の高いお茶を飲むと、とても気持ちいい上に、必要以上に水分をとらずにいられるので有り難いのだけど、困ったことに、そういう保湿性の高いお茶は、だいたい高いお茶に多くて、風邪ひいて香りが解んない状態で飲むのはとても勿体ない。

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黒三景

Sany1676
コーヒーのカクテルは、当たり前だが黒い飲み物

・バー歯車を打ち合せに使ってみた。相手が若松河田に住んでるし、俺は蔵前からの流れだったし、歯車はせっかく3時から開いてるから早い時間にも行ってみたかったということで。で、実際に打ち合せやってみると、案外スムーズ。机が広くてスペースあるし、メモくらいなら書ける。まあ、資料を使うタイプの打ち合せには使えないけど、確認とか依頼とかなら全然OK。むしろ、暗さと軽めのアルコールが、アイディア出しとバカ話を上手く繋いでくれるようで、悪くない。まあ、高くつくので頻繁には行えないけど、次回、機会があればまた、あの暗さの中で打ち合せしたい。

・漆黒の闇のようなバー歯車で、打ち合せ時に飲んだのは、最近のテーマ、コーヒーリキュールを使ったさっぱりして軽いもの。で、濱本君が作ってくれたのは、コーヒーフィズのような感じのもの。コーヒーリキュールが甘味を抑えた、コーヒー味のしっかりしたものだったようで、カカオフィズとは全然違う、大人のジュースみたいな感じに仕上がっていた。黒いカクテルは、歯車に似あうなあとか思いつつ飲んだ。コーヒーや抹茶を酸味と合わせるというのは、酒の世界では定番みたいで、それが定番というあたりに歴史を感じる。

・黒と言えば、アサヒ飲料の「黒茶 熟成」(490ml、140円・税別)は、案外美味い。時々出るプーアルのペットボトルだけど、全然定着しないので、是非、これ定番化されて欲しい。何と言うか、この程度でいいんだ、という感じの味。それなりにプーアルっぽいし、ジャスミン茶入ってるらしいけど邪魔してないし、甘味は少なめだけど、冷やしてゴクゴク飲むなら、この程度で全然問題なし。ペットボトル飲料ならではの、どうでも良さの程合いが良いと思うのだ。

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美味い和菓子ほど大量のお茶が必要

Sany1683
若松町の栄光堂の生和菓子は美味かった(写真はとても下手だけど)

久しぶりに会ったイラストレーター&マンガ家の森木ノ子さんに、新宿は若松町の栄光堂さんの和菓子を頂いた。これが、とても美味かったのだった。写真左の桃山風の奴は、ふんわりと、とてもふんわりと作られた練り切りの中に小豆餡が入ってるのだけど、外側の練り切りの塩味が絶妙で、甘さ抑え目の中の餡の味をとても引き立てて、甘さに口が飽きることがないように作られてる感じ。右の豆の奴も、中の餡の中に、ほんの少し寒天と求肥の間みたいなのが入ってて、その部分の瑞々しさが、餡の美味しさを引き立ててて美味い。基本がしっかりしてて、ほんの少しの工夫が光る職人仕事。こういう店の側に住んでるのは良いなあ。

で、実は俺は、和菓子も餡こも大好きではあるのだけど、それらを美味しく食べるためには、とにかく大量のお茶が必要なのだ。鹿の子ひとつ食べるのに、最低マグカップ二杯は欲しいのだった。茶の湯とかでも、いつもお代りしてもお茶が足りない。お抹茶なら五杯は飲みたい。美味い和菓子を一口食って、口の中に残る甘味をお茶で流す時の味わいが大好きなのだ。元々、甘いものをほとんど食べなかった俺が、甘いもの好きになったのは、この味が好きだったからで、和菓子一口につき、お茶をゴクゴクッと120ml以上は飲みたいわけで、和菓子は四口くらいで食べるから、ざっと500ml、つまりペットボトル一本分のお茶が欲しいのだった。

となると、茶壺や蓋椀でチマチマ入れていられない。美味い和菓子ほど、それを食べる前に、大量に薬罐でお茶を作ったり、大きな急須で一気に大量のお茶を淹れてから、おもむろに和菓子を食べる。練り切り系は、特に大量にお茶が欲しくなる。美味い練り切りほど、大量にお茶を飲みたくなる。そういう意味でも、栄光堂のお菓子は美味かった。ほんと、大量に飲んだ。飲んだのは八女の煎茶の、ちょっといい奴(といっても安いけど)。実は、その際のお茶は、あんまり選ばない。というか、適当なお茶でもとても美味く感じる飲み方だと思っている。

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ブルガリのチョコを食べた

Sany1662
ブルガリのチョコは箱もしっかりしていた

ブルガリのチョコレートをいただいた。一個1500円とかするらしい。分量単価比では今まで食べたチョコの中で最高値かもしれない。頂き物でもなければ食べることは無いだろうと思いつつ、家族で食べる。

写真、左の丸いのがオレンジ、右の四角いのがカシスで、どっちもたっぷり入っていて、チョコレートというより、フルーツケーキ的な美味しさだった。もっと洋酒たっぷりのものかと思っていたけど、酒はほとんど入っていない感じ。オレンジの方は、香料も控えめで、フルーツの美味さが十分出ていて、充実感があるチョコだなあと思った。カシスの方は、酸味がやや勝ち過ぎだけど、それもカシスがたっぷりだからで、そういう過剰さは嫌いじゃない。

どうせ高価なのだから、徹底的に過剰に、というのは悪くないコンセプトで、日常的に一個1500円のチョコを食べる人は、そもそも過剰な人だろうから、正解なんだろうなと。こういうのを、スナック菓子のように食べる人にこそ、感想を聞いてみたいなあ。

俺的には、中々ロックな食べ物だと思った。嫌いじゃない。たまになら食べたい。ブログとか見ると、かなり評判悪いみたいで、それも分かるけど、香料がキツイ、洋酒がキツイという話が多いので、俺が食べたのは違うのかもしれない。よく分からない。ただ、上品に美味しく仕上げるよりも、こういう個性的で過剰な仕上げの方が、ブルガリらしいと思うし、自分とこのブランドのファンを良く解ったチョコではないかと思う。

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飲み物遊びの場としてのバー

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バー歯車「ジン+ウィルキンソン+アブサン」
Photo by megmu@mame-en

カフェをどう使うかは行く人次第なのと同じように、バーに行くのも色んな目的があり、色んな楽しみ方があると思う。若い頃は、主に女の子口説くのに使ってたような気もするけど、俺が基本、喋って口説く方だから、実はバーは成功率が低い。本読みに行ってた時期もあるし、ぼーっとするために行くことも多い。お茶は基本覚醒系だから、考え事とかアイディア絞りとかには向いてるけど、ぼーっとするならアルコールの方が好きだ(プーアルは、ぼーっとする系のお茶だけど)。

ボーッとするのに、バーがとても良いのは、いい加減なオーダーが出来ること。スタバで、細かく自分の好みを入れたカスタマイズ注文をする人がいる。バーでも似たような事が可能だけど、そういう徹底的に自分の好みの飲み物を作ってもらう快感というのが、西洋のドリンク文化のベースにあると思う。バーでも、もしかしたら、そんな風な、膨大な酒の知識を持ち、そこから今の自分に最適な一杯をオーダー、それを、いかに自分の好みに仕上げてくれるかがバーテンダーに期待すること、という感じの楽しみ方が正統派なのかもしれない。

それはそれで面白いし、そういうオーダーをしたい時もあるとは思う。しかし、バーテンダーさんは酒のプロである。だったら、知識も任せてしまってよいのではないかと思うのだ。時々、バーテンダーさんやソムリエさんに酒の知識を披露する素人さんがいるけど、あれは何なんだろう。中国茶とかでも、設楽さんに向かって、自分がいかに中国茶を知っているかを喋り続ける人を見かけたりもする。まあ、本人が楽しいのなら、それで良いとは思うけれど、あれは何が楽しいのだろう。まあどうでもいいけど。ともあれ、知識部分はバーテンダーさんにお任せしてしまうと、こっちは驚くほど楽しめたりするのだ。

先日、バーK2に行った時、一緒に行った某Iさんは、「追い風と向かい風、二杯対になってるのを」というオーダーで、バーテンダーの健太郎さんを追い詰めていた。そして、そのオーダーに対して、見事に対になって、追い風と向かい風になってるカクテルが出てきた。その楽しさは、バー以外では楽しめないような種類の楽しさだと思うのだ。

さらにぐだぐだになると、「栄養があって、空きっ腹でも大丈夫で、フルーツな感じ」とか、「抹茶で何か美味しいの」とか、「だらだらとゆっくり飲める退廃的なやつ」とか、「ラムベースで紅茶みたいなの」とか、そんな頭悪そうなオーダーをして、ボーッとして、飲んで、「ああ、飲みたかったのはコレなんだなあ」と思えるようなのが出てきたら、それはそれはリラックスしてボーッと出来て。その代わり、そういう時は、こっちの希望とバーテンダーのノリが合わないと、とても悲しい状態になる。普通、合わないことの方が多い。だからこそ、合うと嬉しい。長いこと離れていた友だちに再会したような嬉しさ。

バー歯車やK2のような、それぞれに個性の違うバーテンダーさんがいて、きちんと遊びとしての酒を提供してくれる、飲み物で遊ぶ場としてのバーがあるおかげで、俺みたいな、飲み物好きは、本当に楽しく遊べてしまう。まあ、カフェに比べれば価格は高いのだけど、その自由度、ボーッと出来る度合いから考えれば、十分安いようにも思う。しょっちゅうは行けないけど、しょっちゅうボーッとしても面白くないし、時々、でいい。ある意味、飲み物のテーマパークみたいなもんだな、と思って、月に1度か2度、ふらっと遊びに出かけたい。つーか、毎月ディズニーランドに行ってれば、それは十分マニアだろうとか。

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コーヒーと苺と愛宕梨と鉄観音

Sany1675
カルーアとアマレット

久しぶりの銀座、バーK2。時間もたっぷりあったので、色々と飲み物遊びを試した。

まず、ちょっとここんとこ色々考えていたコーヒーリキュールのバリエーション。アイリッシュコーヒーの美味しい奴みたいなカクテルを、という注文に対して出てきたのは、カルーアとベイリーズとフランジェリコと生クリームのカクテル。カルーアとベイリーズを混ぜるという、ある種暴挙みたいなレシピだけど、ヘーゼルナッツのリキュールが上手く全体をまとめてて、最初の一杯として、つまり飯食ってすぐK2に行った俺としては、食後の一杯として、デザートにもなる感じ。ちょっとづつ飲むのが美味い。

後半にもう一杯、コーヒーリキュールでお願いする。今度はさっぱりした感じでと言ったら、カルーアとアマレットと軽い炭酸のカクテル。炭酸の使い方が上手いなあ。基本的な味は、美味いコーヒー味杏仁豆腐。それが液体になって微炭酸の刺激を伴って喉を通り抜ける。微妙な酸味が気持ち良い。コーヒー飲料としては、ミルク無しのこっちの方が面白い。この方向で、色んなコーヒーリキュールを試すのも面白そう。この二杯のコントラストが健太郎さんの腕だなあと思う。

季節のフルーツとしての苺のカクテルも二種飲んだ。どちらも、もう苺を大量に一度に食べてるくらい、たっぷりの果肉入り。手で潰された苺が美味い。愛子さん曰く、果物は手で潰す方が美味いのだそうだけど、実際、果肉の舌触りが柔らかで滑らかで、だからこそ、大量な苺がはいっているけれど、それが飲み物になっているのが嬉しい。大量の苺に、クランベリージュース、レモンジュース、ラムが絡んで、とてつもなく華やかな一杯目と、ストロベリーマティーニにみたいな二杯目。苺を美味しく頂く方法として、ミルクかけるより遥かに美味いのではないかと思う。飲み物の華やかさ炸裂。

さらに愛子さんが持ち込んだ愛宕梨を使ったカクテルを頂きながら、チェイサー代わりに2007秋天の茶王を飲んでいて、ふと思いついたのが、妙に梨と茶王が合うということ。「同じ季節に収穫されるからかも」と愛子さんも言うので、健太郎さんにお願いして、愛宕梨と茶王を混ぜたアレンジを作ってもらう。梨の果汁と茶王とウォッカ。これが美味いのなんの。久々の中国茶カクテルの傑作だった。愛宕梨のちょっと醗酵したような味わいと茶王の強力な水の重さが合う合う合う(アシカか)。

茶王を、野生紅芽を、一葉王を飲みながら、このまま飲むのが一番じゃないですか?と笑う健太郎さんの気持ちも解るというか、それが正解には違いないけど、それ以外にも面白くなるのではないかと期待してしまう気持ちも止められない。その上での梨とのマッチングの発見がある。一葉王はシャンパンかなあとか、そんなことを、もう夜が明けそうな深夜に、悪巧みするように話しあう。

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飛露喜

Sany1647
美味かった日本酒の数々 in だらだら茶会2008

日本酒のことは、よく知らない。結構飲んではいるけど、美味いっ、と声が出るようなのは、数えるくらいしか飲んでいない。でも、ずっと嫌いではなかったのは、多分、米の酒だからだろう。ここんとこ、美味い日本酒を飲む機会が増えて(主にmad__hatter君のおかげだけど)、やっぱり、その思いを強くした。

美味い日本酒を飲んで思うのは、美味い米と美味い水の味がするということ。で、俺は大福餅やあんころ餅、おはぎなんかを食べる時にも、美味しいやつは美味い米と美味い水の味がするのである。正月に食った餅も、美味い奴は美味い水の味がする。で、美味い水と美味い米は好きだと、そういうことで、多少美味しくなくても、水と米の味は嫌いになれないのだろう。

ワインを飲んでいて、ブドウが好きになったり、ブドウが好きになってコニャックを見直したりするように、美味い日本酒を飲むと、美味い米が食べたくなる。で、とりあえず、その代用品として和菓子をたべたりすると、これが美味い。今回、飛露喜と富山のお菓子「月世界」のマッチングの良さに感動したのだけれど、月世界は玉子なんだよなあ。玉子と御飯は、そりゃ合うか。

それにしても飛露喜特撰純吟である。もう、ひたすら美味しい水に近い。淡麗という価値観は、実はそれほど好きじゃなくて、だから、この飛露喜に対して、それを淡いと表現したくはないというか、決して淡くはないと思ったのだけど、ではあれを表す言葉は何だろう。するすると入っていくからといって、それが存在感の無さとイコールではない。米の飯に味が無いと言う人はいないように、美味い水は淡麗であることが条件では全然ないように。

コクとしか表現出来ないようでは、濃厚な水の質感を感じ損なうように、キレとかスルスルとかの触覚的な表現では、美味さそのものを取りこぼすように、雑味とかキレイとかクリアといった、恣意的な内質の選別的な表現では、米の米らしい部分を切り捨ててしまうように、多分、美味しいは生々しい感覚。

美味いと思いながら飲んで、やっぱり日本酒はよく解らないと思ってしまうのは、美味い酒ほど、そんなバラバラした感覚を呼び起こしてしまうからだろうし、だから美味いんだなと思ってしまうからだろうと思っている。田酒はまだ開けていない。

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香港から来た茶壺

お正月を香港で迎えた海風號主人設楽さんが、香港で見つけてきた茶壺は、数こそ少ないけど一つ一つがかなり良い。設楽さんが言うには「香港の人はお茶飲まなくなっちゃったのかなあ」という話で、設楽さん行きつけの茶道具屋が二軒ともつぶれていたり、良いモノが少なく、あっても法外に高かったりと、仕入れの条件はかなり厳しかったらしいのだけど。

Sany1653
海風號「角民国壺」12万円

上の写真は、今回の目玉の一つだと思う。民国壺なのだそうだけど、見たり触った感じでは、もっと古いんじゃないかと思わせる迫力がある。使い込まれたような茶色の肌の艶がほんとカッコいい。設楽さんも「これはちょっと凄い」と惚れ込んでいるけれど、そんな話しを聞かなくても、只者でない感じが発散してる。形も大きさ(100ccくらい)も、お茶を淹れるのに向いていて使いやすそうだけど、茶葉の出し入れは面倒くさそうなのが唯一の欠点か。でも、ほんと迫力ある。12万円は高いようだけど、実物見たら納得する感じ。

Sany1654
海風號「ぷっくりと可愛い茶壺」16万円

続いて、今回最大の名品と設楽さんのお墨付き。ぷっくりした把手と注ぎ口の、設楽さんお気に入りの形は海風號には時々入荷するけど、その中でも、これは別格かも。把手の丸さと膨らみの美しさと持ちやすさとか、土のムードの良さとか、技術の確かさとか、いちいち凄くて、佇まいが既に別格と言う感じ。正直なところ、俺はこの形ってあんまり好きじゃないのだけど、ここまで良いと、趣味とかと関係なく、思わず手に取って唸ってしまう。紅茶とかプーアルとかの良い奴を、これでガッツリ淹れたら美味いだろうなあと思う。土の感じの良さなんて、ちょっと信じられないくらい。

注ぎ口の形が可愛くて、設楽さんに「この注ぎ口がいいですねー、子供のチンポみたいで」と言ったら、「ああ、そういう呼び名がついてる形ですよ」と笑いながらも普通に返されてしまった。中国人、やるな。

Sany1649
海風號「民国壺」4万5千円

これも今回の名作。筋彫りで絵が描かれた民国壺。絵のレベルも高いけど、それよりもこの茶壺の魅力は、そのバランスの良い形と土のムードの良さだと思う。大きさも200ccくらいで使いやすそう。どっかの茶館で大事に使われてたような雰囲気があって、すぐにでも美味いお茶が入りそう。水平壺のようで、ちょっと違うのね、形。価格は45000円。もはや、このレベルでこの価格は安いと言うべきなのかもしれない。

Sany1650
海風號「請飲中国烏龍茶水平壺」3万円

個人的に俺が好きなのが、この水平壺の早期壺。「請飲中国烏龍茶(烏龍茶を飲もう)」キャンペーン用の茶壺らしくて、海風號には時々入荷してたもの。ただ、ここ数年は無かったし、今回も香港で一個だけ見つけたのだそうだ。似たような土で同じ形の早期壺を持ってて愛用してるから、何となく買いづらくて、どうしようと思ってる間に、誰かに買われてしまって未だ持ってない。でも、久しぶりに見ると、やっぱいいなあ。間抜けなキャンペーンのコピーが最高だ。良く育つのは保証付きの土だし、価格も30000円と手が出るギリギリくらいではある(前はもう少し安かったけど、香港の価格高騰と早期壺の枯渇ぶりを考えたら、この価格で買えるのも最後かもとか思う)。

他のも、今回は粒揃いだと思う(その代わり、ほんと数が無いけど)。ちょっと珍しい土の奴とか、形が独特だけど使いやすそうな奴とか、香港から来た茶壺だからか、垢抜けた感じのが多いのが特徴のような気がする。

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だらだら茶会で新年会

だらだら茶会で新年会
今年は海風號でだらだら

毎年恒例だらだら茶会でのんびり。今年は海風號をお借りしてさらにのんびり。新年らしく、良いお茶と良いお酒が揃い、入れ替わり立ち替わり、常時8人程度がいる盛大な会になった。

正月で気が大きくなるのか、驚くほど良いお茶やお菓子、つまみに酒が揃うのが面白い。俺もかめきちさんの蜜蘭香と愛子さんの仙朴香を持ち込む。お茶請けはトリュフチョコのようなチーズとドイツパン。他の方々の持参品も強力で全部試していたら、時間も腹も足りない。

今回美味かったお茶は、かめきちさんの蜜蘭香と、平田さんが持ってきた群体単ソウと恵さん持参の愛子さんとこの鉄観音各種。酒はmad__hatter君の飛露喜特撰純吟が絶品。そんなものを、本当にだらだらしながら頂いてると、7時間なんてあっと言う間。

海風號にも香港から設楽さんが持ち帰った茶壺が置かれていた。これが数は少ないけど良いものが揃っている。特に文革の水平壺に凄いのがあって、それは別の機会に紹介する予定。

そんなお茶や酒の凄さに気を取られることなく喋りを楽しめるのが、だらだら茶会の特徴かもしれない。基本は会って色々話すことだというのを参加者が自然とわかってしまっている感じが、だらだら茶会の楽しさだなあと思うのだった。

ということで、参加者のみなさまお疲れさまでした。
俺は散会後、バー歯車へ。この記事もバー歯車で書いてアップ(したら、酔っぱらってたみたいで、文章ぐだぐだ。なので多少手直ししてしまった)。

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桃烏龍の冒険

Sany1641
ハイピース「桃烏龍」350ml、125円(税別)

ようやく飲んだ。知ってはいたけど、そしてそれが俺の領域だと認識しながらも、見て見ぬふりをし続けていたのだけど、1496さんからいただいてしまったからには逃げられない。ということで飲んだハイピースの「桃烏龍」。

桃果汁は10%未満と書かれているけど、かなり桃味が強い。桃香料が多いんだろうなあ。で、烏龍茶部分は苦め。というか、桃果汁にお茶で苦味を付けましたという感じ。それだけでは弱いと思ったのか、甘味を甜茶で足している。甘味料を使わなずにノンカロリーで仕上げたのは良いと思うけど、桃は酸味と香りで、お茶は苦味で、甘味は甜茶というのは、どうなんだろう。あんまり美味しくない。

飲めないほどではないし、350ml飲み切る頃には、こういう味も有りと言えば有り、みたいな気分にもなるけれど、でもなあ。後味にお茶の苦味と渋味が残るし(水仙種が多いのかなあ)、桃の香料が舌に張り付く感じが、あまり心地よくない。発想そのものは分かるし、悪くないと思うので、こういう商品を出した事は素直に評価したいのだけど、力及ばずという感じなのかも。

お茶部分をもう少し美味しくして、桃の香料を減らして甘味を桃果汁で補って甜茶を止めれば、地味だけどそれなりに美味しくなるような気はする。気はするけれど、それはかなりメリハリを欠くだろうし、ペットボトル飲料には向かないだろう。そう考えれば、これはこれで、きちんと商品として成り立っている味なのだろう。これがもしとても不評だったとしても、ハイピースのお茶と果汁のブレンドへの挑戦が続く事を願う。と書いてから調べたら、ライチ烏龍やら菊華茶やら、新製品が続いている。祈るまでもない、安心した。

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基本セットは変わらない

Sany1630
今の基本セット

正月二日には、東京に戻った俺は、寝静まる家族の側でお湯を沸かして、仕事部屋で録画した正月番組をチェックしながら延々とお茶を飲む。延々と飲む時のセットは、ここ二年、ほぼ不動。茶壺は写真の倣古壺か漢瓦壷。茶杯は布甸楽園の器、煎を混ぜたり、ストックしたり、そのまま飲んだりするための茶海とコップの中間的な役割としてのFormosa Tea Connectionの茶海。これは、書籍版のDrinkin' Chaの頃と同じ。

今日は、これにコーヒーサーバーと茶漉しを加えたセットで、07秋天鉄観音の茶王を、ガラス容器と茶壺で淹れ比べながら飲み続ける。美味い。コーヒーサーバーに茶葉をぶち込んで、熱湯注いで適当に待って、茶漉しを乗せた茶杯とか茶海とかに注げば出来上がり。後半は茶壺で淹れたり。美味いからあっという間に2リットルくらい飲んで腹はたぷたぷ。それでも飲む。

冷めたらまた美味いので、冷ましたりしつつ、また熱いのも淹れて、甘味と酸味とお茶らしい風味と韵とつるつるの口当たりと喉の奥がひたすら湿っていく感じと汗腺が開く感じと身体が緩んでいく感じを同時に味わいながら、明日からは仕事だなあとか思う。というか、今日は仕事がしねえぞと思っているか、むしろ。

いい加減、腹がたぷたぷになり過ぎたので、お茶請けというか、腹休めというか、そういう感じで実家から貰ってきた、どこのかは知らないけど、やたら美味い、でも酒に弱い人には食べさせられないくらい、アルコール分が豊富なフルーツケーキを食べる。凄いよ、これ、パウンドケーキにフルーツが山ほど入った、見た目は普通のフルーツケーキだけど、そのフルーツにこれでもかというくらい洋酒が染み込ませてある。びっくり箱に近い。でも美味い。洋酒の風味とお茶がまた合う。

何だろう、このゆるゆるした空気。見てるのは「風俗刑事」だし、書いてる文章は、こんなんだし、ほぼリアルタイムで飲んで見て書いてる。大晦日から正月にかけて読んだ本は、辻村深月著「冷たい校舎の時は止まる」だったりして、そう言えば年末に買った「メフィスト」に、「冷たい校舎の時は止まる」のマンガ化連載の第一回が載ってた事を思い出して、トイレで読む。なんてことまで書いてると、無性に楽しい。酔っ払いに近いな、お茶しか飲んでないけど。

というような事を書いてる事が正月らしいなあと思うので、実際のアップは正確には3日の午前2時過ぎなのだけど、2日の記事としてアップするので、表記されるアップ時間は適当。

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あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます
熊本県果実農業協同組合連合会「トロピカルマンゴー」

九州はさすがにマンゴー関連が充実しているので、真冬だというのにマンゴーを食ったり、美味いマンゴージュースを飲んだりする正月。ラ・フランスも食べて、桂花陳酒のゼリーを食ったり。お茶は麦茶と八女の玉露。

だらだらと、飲み食い。日本酒も飲む。コニャックとかイタリアワインとか物色する。焼酎も飲む。ジャスミン茶(白雪芽7yin)も飲む。何飲んだかいちいち覚えてられないというか、そんなの記録しないのが正月であろうと思う。何か、色々あるので、もう少ししみじみするかと思っていたけど、それ以前にのんびり出来たので、まあ良し。

このブログも、とりあえず毎日更新を続けようと思っていますので、みなさま、今年もよろしくお願いします。

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