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凄い茶壺のこと、または海風號博物館

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通販セールも好調の内に終了した海風號に、そろそろ落ち着いた頃かと思って行ってみたら、設楽さんが「海風號に、久々に宝物が来ましたよ」と嬉しそうに笑って見せてくれたのが、この菊花壺。

清朝末期のもので、鉄画軒製。凋盤根という作家の手によるものらしいけれど、詳細不明。作家名も定かではない。ただ、何と言うか、もう風格が違うというか、その只者で無さ加減が物凄い。形のキレイさもそうだが、何より触った時の肌触りがたまんない。柔らかく受け止めるような感じで、すぐにでもお茶を淹れたくなるような土。

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デザインとしての菊花壺は、あんまり好きではなかったけど、こうなるとデザインがどうとか、形が趣味でないとか、そういうのはあんまり関係なくなるみたい。これで淹れたお茶が飲みたいと思ってしまう。設楽さん曰く「昔の職人は良い仕事をした、その証拠のような茶壺」ということ。

容量は350ccくらい。価格は34万円。でも、最近の作家物の高い奴に比べれば全然安い(といっても俺は買えないけど)。まあ、とりあえず、これ見に海風號に行くだけの価値はあると思う。

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で、さらに宝物は続く。これも、設楽さんのお気に入り。これと、上の菊花壺は、設楽さんをして興奮させる久々の名品だそうだ。で、これは吉直壺の蓋に獅子の親子が乗ってるもの。民国壺で、じっくりと使われてたものらしく、すっかり育った養壺済みの茶壺だ。

土の雰囲気の良さは、その見事に育ったツヤを見ただけで分かる。何か、使い込まれた良質の革製品みたいな肌だ。こういう朱泥は見たことない。で、やたら品がある。獅子が、しかも、やたらとかわいい獅子の親子が乗ってるにも関わらず、しっとりとして上品だ。何だろう、この不思議なムード。

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で、上の写真見てもらえば分かると思うけど、本当に獅子が良く彫れてる。かわいいのなんの。適当な彫りが愛嬌になってる事が多い、獅子の蓋だけど、これはそういうのとは格が違う感じ。日本の良く出来た古い根付けみたいな完成度とノリだと思う。これで容量は300ccくらいで、価格は25万。この獅子の親子も見といた方が良いと思う。何か、博物館みたいね。

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さらに続く名品。これも凄い。柔らかく、気孔が多そうな、民国壺ならではの朱泥調砂の良い感じが見ただけで伝わってくる扁壺。そして、とても丁寧に養壺された、というより、たっぷり使い込まれて、そのままお茶を淹れられる即戦力の凄み。

形も良いし、300ccくらいという実戦的な大きさも良い。ぽくぽくした土のムードは、撫でてるとはなせなくなるくらい良いし、茶壺の中はいい匂いがする。民国の始めの頃のものではないかと設楽さん。ただ、胴の側面に少しだけヒビがある。お茶を淹れるのに支障はないけど、その分安くなってて、18万。これは、是非触ってみて欲しい。好きだ、ほんと。設楽さん的には、上の二つには敵わないそうだけど、俺は、これ好きだ。

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ただ、もっと好きなのがあって、それが上の写真の平たい茶壺。扁石壺だっけ。これ、茶色みたいだけど、実はほとんど、お茶で染まった感じ。もう、どんだけお茶淹れたんだ、というくらい使い込まれた民国壺。民国の時代に生まれ、つい最近まで、ひたすらお茶を淹れてきたような、お茶で真っ黒になった茶壺。これは、買ってしまいました。値段は内緒。上の三つよりは安い。

無理しちゃったけど、でも、これは欲しかった。モロ好みど真ん中。大体、俺は清純な少女より、40歳でトップを張ってるソープ嬢の方が好きなのだ。この茶壺が淹れてきたお茶の全部、その蓄積が好きなのだ。形も好き。実は、この形、茶葉を出しにくいのも知ってるけど、好きな形には変わりない。

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あと、この鴨のやかん。設楽さんのコレクション入りなので非売品だけど、この口からお湯が出ると思っただけで楽しい。これも、見といた方が良い名品(というか珍品か)。いや、実はここだけの話、今、海風號は美味い茶葉もいくつか入ってきてるし、店は博物館状態だし、ちょっと凄いことになってるのだ。

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他にも、上の写真の設楽さんが見つけた上手の倣古壺を煙養壺させたもの45000円とか、下の写真の、70ccくらいしか入らない手のひらサイズだけど、土も作りもとんでもなく良い民国の小茶壺、25000円なんかの新作茶壺も入荷してる。お盆休みもないそうだし、売れちゃう前に行った方が良いかも。って、既に買っちゃった俺が言うことではないか。

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